メルセデスのルイス・ハミルトンは、2018年のF1でパワーユニットの基数制限がさらに厳しくなる動きを強く批判した。
2017年のレギュレーションでは、ドライバーが1シーズンに使用できるパワーユニットの6エレメントは最大4基に制限されており、これを超えると追加するたびにグリッド降格ペナルティを科される。
2018年は今季より1戦多い21戦開催が予定されている。しかし来シーズンの規則では、パワーユニットの基数制限がさらに厳しくなる見込みだ。6エレメントのうちエンジン(ICE)、MGU-H、ターボチャージャーは3基に、エナジーストア、コントロールエレクトロニクス、MGU-Kは2基に制限され、これを超えるとグリッド降格ペナルティを受けなければならない。
こういった変更に伴って起こるかもしれないマイナスの影響をハミルトンは危惧している。
「3基にするというアイデアには賛成できない」とハミルトンが語ったとBBCが伝えた。
「最悪だよ。スプリントの要素こそがF1に欠けていることなんだ」
さらに2018年にはコクピット保護システム“ハロ”が導入されることで、マシンの重量が重くなる。そのことについてもハミルトンは不満を示した。
「来年、(F1)マシンはバスみたいになる。とても重くなるよ、NASCARみたいにね。ブレーキングの距離が長くなり、常に限界状態になり、高温になってしまう」
「悲観的に聞こえることは分かっているけど、レーサーとして僕たちは速く機敏なマシンに乗り、すべてのラップで常に攻めていきたいんだ」
ハミルトンは、そういう希望は今のF1規則では実現できないと嘆いている。ブラジルGPでは予選Q1でクラッシュし、最後尾スタートになったことで、チームは新しいエンジンを投入してピットレーンからスタートすることを決めた。そのためハミルトンはいつもよりプッシュすることができたが、通常は常にエンジンを労わって走らなければならない。
「残念なことに、今のマシンは大抵はそういうものではない。今日(ブラジルGP決勝)は僕はそういうマシンに乗っていたけれど、それはいつもと違った位置からスタートしたからだ」とハミルトン。
「先頭を行くドライバーたちは、管理しながら走っていた。それが僕たちがやっていることなんだ」
「見ている人たちにとってすごくエキサイティングなものだとは思わない」
「雨が降ったりして、最高にエキサイティングな展開になるレースを見ると、そうした制限がないからエキサイティングになるんだ。エンジンの数を減らすことがその方面で助けになるという確信は持てない」