大阪府泉佐野市が、関西国際空港近辺にアイスアリーナを建設すべく動いている。今年8月からは費用の一部をふるさと納税で賄うべく、ふるさと納税サイト「ふるさとチョイス」で「練習場のない日本スケート界を救え!!関空前にアイスアリーナを!!」と題し、寄附を募り始めた。
11月14日17時半までに集まった額は159万6000円。昨年実施したキャンペーン「関空経由の訪日選手や、地域の子供たちが集まるスケートリンク建設へ!」と合わせ、来年3月末までに2億円集めることを目標としている。
将来的にはNHK杯を誘致したい考え アドバイザーには高橋大輔
発端は2014年、大阪府スケート連盟などから泉佐野市長に、「関西国際空港直近の『りんくうタウン』周辺に、国際大会開催が可能なスケートリンクを造りたい」と相談があったことだという。
文科省によると、1985年には全国に738か所あったアイススケート場は、2015年には屋内スケート場が86か所、屋外が127か所と、200か所あまりにまで減少している。屋外施設には36か所の小学校・大学の施設も含まれるため、一般の人が利用できる施設はもっと少ない。スケート関係者は、季節や天候に左右されない屋内型リンクを好むというが、屋内リンクが無い自治体も多いのが現状だ。
大阪府には3つのスケートリンクがあり、所在地域もばらけている。ただ、そのうち1つは関西大学の施設のため使える人が限られていたり、他のリンクも常に予約が満杯だったりと課題も抱えている。
新しく建設される予定のアイスアリーナは主にスケート選手の練習用として、30メートル×60メートルの国際規格をクリアし、500席の観覧席を設ける。将来的には4000席にまで拡大できるよう余地を残し、NHK杯などの国際大会を誘致したい考えだ。2019年の完成を目指している。
計画のアドバイザーには高橋大輔さんが就任しているが、泉佐野市成長戦略室の担当者によると「当初は寄付金募集のためのメディア対応や、競技者として設計にアドバイスいただけたらと考えていましたが、お忙しい方なので、現段階ではそうした機会は作れていません」という。
建設前から、和歌山県や奈良県在住者から「使わせてほしい」との申し出が
建設予定地は、関西国際空港から電車・車で5分の「りんくうタウン駅」から、更に徒歩で10分程度歩いた場所だ。泉佐野市の担当者は
「駅から近いということで、利便性はあります。また、近隣の和歌山や奈良からは、『使わせてほしい』という申し出を頂いています」
と語る。和歌山県と奈良県にはスケート場が無いので、府内外から人が集まりそうだ。
募集の目標金額については「難しいことは承知している」と言いつつも、「あくまでも目標金額は2億円のまま。変えません」と強気だ。
「ふるさと納税での150万円に加え、企業版クラウドファンディングから約1700万円集まっており、合わせると1800万円ほどになります。昨年の募集時と同じくらいのスピードで増えています」
5万円以上の寄付をすると、寄付者の名前が入ったプレートが飾られるという。原則として本人の名前になるが、「子どもの名前にしてほしいなど、関係者の名前を希望する際は極力OKしています」とのことだった。