2017年11月14日 17:22 弁護士ドットコム
女性アイドルグループの元メンバー4人が11月14日、所属していた芸能プロダクション「デートピア」(東京都)を相手取り、未払い賃金計約410万円の支払いや、契約解除の確認などを求めて東京地裁に提訴した。
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訴状などによると、元メンバー4人は2015年10月、他のメンバーと共にグループを結成し、デビューした。それから約2年間、ライブや物販販売などの業務をおこなっていたが、一部の交通費を除いて、プロダクションから報酬の支払いが一切なかったという。
こうした状況などから、原告の1人であるCさん(10代)は今年5月、「他のプロダクションに移りたい」と申し出たが、マネジャーから「契約時から7年間はやめられない。この期間は一切の芸能活動ができない」と返答された。
さらに今年8月にも「プロダクションをやめたい」と伝えたところ、「絶対芸能やるなよ。全力で潰すぞ」と言われたという。4人は今年9月にグループ「卒業」というかたちになったが、そのまま仕事を干されている状況だそうだ。
プロダクションとの契約書には、(1)月3万8000円の報酬からレッスン費を天引く、(2)契約終了後でも、プロダクションの許可なく、芸名を使用してはならない、(3)契約終了後2年間は芸能活動ができない――などいった内容が記載されていた。
元メンバー側は「業務の指示について許諾の自由は一切なく、労働者性があった」と主張。2年間の未払い賃金それぞれ102万6000円(4人合計約410万円)の支払いのほか、契約が解除されていること、芸名が使用できることの確認を求めている。
この日の提訴後、原告Cさんと代理人弁護士が東京・霞が関の司法記者クラブで会見を開いた。
Cさんは、デビューについて感謝を示しつつも、「私と同じような状況の人もたくさんいると思う。みんなステージに立ちたいという気持ちがあって活動している。こういう契約で、拘束されてしまうのはすごく残念だと思う。今回の提訴が、何かを変わるきっかけになれば」と話した。4人とも芸能活動を続けていきたいとしている。
代理人をつとめる河西邦剛弁護士によると、アイドルの契約などをめぐるトラブルが増えているという。「ここ5年、10年で、地下アイドルと呼ばれる人たちが増える中で、学校のクラスに1人や2人アイドルがいてもめずらしくなくなってきている。潜在的なトラブルも増えており、訴訟など法的手続きにつながるケースもある」と述べた。
デートピアは弁護士ドットコムニュースの取材に「担当者不在」としている。回答があれば追記する。
(弁護士ドットコムニュース)