2017 MotoGP世界選手権で、ドヴィツィオーゾがチャンピオンシップ2位でシーズンを締めくくる最終戦のバレンシアGPで、ドヴィツィオーゾとロレンソは、3位争いをしていた残り6周目に転倒リタイア
ピッロは健闘して9位フィニッシュ
2017 MotoGP最終戦(第18戦)のバレンシアGPがスペインのバレンシア・サーキットで開催され、ドゥカティMotoGPチームのアンドレア・ドヴィツィオーゾがチャンピオンシップ2位を確定させた。
年間タイトルを獲得するためには、このレースで優勝、且つマルク・マルケス(ホンダ)が12位以下でフィニッシュという厳しい条件の中、ドヴィツィオーゾは、3番手争いをしていた残り6周の時点で、惜しくもクラッシュしてリタイアとなった。
しかし、6度の優勝に輝き、最後の最後までタイトル争いをしたドヴィツィオーゾとチームにとって、2017年は満足すべき素晴らしいシーズンとなった。
ホルヘ・ロレンソも、最終戦でチェッカーを受けることができなかった。ロレンソは、ヨハン・ザルコ(ヤマハ)とダニ・ペドロサ(ホンダ)を追撃し、チーム・メイトの前で3番手を走行していた25周目にクラッシュして、リタイアを余儀なくされた。ロレンソは、ドゥカティに移籍した最初のシーズンを、総合ランキング7位で終えることになった。
今季3回目のワイルドカード参戦となったミケーレ・ピッロは、ドゥカティ・テストチームのデスモセディチGPを駆って、素晴らしいレースを見せた。予選6番手となり、2列目からスタートしたピッロは、バレンシアGPを9位でフィニッシュした。
MotoGPライダーは、11月14日(火)に再びサーキットに集結し、2018シーズンのスタートを告げる2日間のテストに臨む。
アンドレア・ドヴィツィオーゾ(Ducati MotoGPチーム #04) リタイア
「すべてを出し切ったので、今週末の結果を喜ぶべきだと思う。マルケスより速くはなかったが、最後まで戦い抜いた。オープニングラップからハードにプッシュし、まったくミスを犯さずに、良いポジションにつけることができたが、それ以上切れるカードが残っていなかった。スタートしたときには、ホルヘをパスできると思ったが、彼より遅いセクションや速いセクションがあったので、結局彼の後ろにつくことになった。それによって、よりスムーズにライディングすることができたので、ホルヘが前にいたことはポジティブにとらえたい。すべてのライダーが限界で走行していた。マルクでさえも、クラッシュしそうになって立て直していた。彼を祝福したい。彼は今シーズンも、ライバルとの差をつけて、それをうまくコントロールしていた。いずれにしても、素晴らしいシーズンを送ることができて非常に嬉しい。チームのスタッフ、ドゥカティ、僕らをサポートしてくれた人々全員に感謝したい。今シーズンは、予想以上の結果を出せたので、本当に満足している」
ホルヘ・ロレンソ(Ducati MotoGPチーム #99) リタイア
「シーズン最終戦をクラッシュで終わりたいと思っているライダーはいないと思うが、今回のリタイアを抜きにしても、チャンピオンシップの結果には満足すべきだと思う。前回のマレーシアと今回のバレンシアの両方で、表彰台争いをすることができた。来年に向けて大きな手ごたえを感じている。トップグループを捉えるために、最初から最後までハードにプッシュしたが、レース終盤でリスクを取らざるを得なくなった。とくに右コーナーでフロントがインに入ってしまい、最終的にはコントロールを失って、クラッシュを避けることができなかった。レース中盤にアンドレアが後ろにぴったりとついたとき、状況を分析して、このままの状態で走行して、彼のけん引役となってトップグループに迫った方が良いと判断した。ザルコとペドロサを捉えた時点で、彼を前に行かせるつもりだった。結果的にはふたりともクラッシュしてしまったが、アンドレアを祝福したい。彼は本当に素晴らしいシーズンを送ったと思う」
ミケーレ・ピッロ(Ducati MotoGPテストチーム #51) 9位
「スタートの時点で、トップグループと戦うことができたので、レースを楽しむことができた。フロントにソフトタイヤを選択したので、少し限界がきていたが、ドーヴィ(ドヴィツィオーゾ)とホルヘがクラッシュしたのを見て、出来る限り、最高のリザルトを出そうと思った。9位という結果は残念だが、僕たちは今年、ワールドタイトルを争うことができることを証明した。来シーズンは、より強くなってスタートを切ることが出来るだろう。ドゥカティ、アンドレア、そしてホルヘに感謝したい。彼らと一緒に戦って、最高のシーズンを送ることができた」
クラウディオ・ドメニカーリ(ドゥカティ・モーター・ホールディングCEO)
「今日は、本当に記憶に残る1日となった。最終戦はドラマチックな展開となったが、ドゥカティとアンドレア・ドヴィツィオーゾにとって素晴らしいシーズンとなった。マルク・マルケスは、2017年のワールド・チャンピオンシップを獲得するに相応しい走りを見せた。彼を祝福したい。しかし、アンドレアは最後のレースで、これまで苦戦することが多かったこのサーキットでも、素晴らしいペース、スピード、そして決意を見せてくれた。ホルヘとドーヴィが、わずか数秒のうちにクラッシュして、シーズン最終戦をリタイアで終えることになったが、今年チームが達成したことに、大きな満足感を感じている」
ルイジ・ダッリーニャ(ドゥカティ・コルセ・ゼネラルマネージャー)
「非常に厳しいチャンピオンシップだったが、最終的にはマルケスとホンダがタイトルを獲得した。彼らに賛辞を贈りたい。我々は最後まで戦って、もう少しでタイトルに手が届くところだった。リザルトの面でも、技術レベルの点でも、個人的には本当に充実した素晴らしいシーズンとなった。それでもチャンスを逃したことは少し残念だが、今年はマシンの戦闘力を大きく向上させることができたので、満足すべきだと思う。この素晴らしいワールド・チャンピオンシップを可能にしてくれた、すべての人々に心から感謝したい」