4月に開幕した2017年のWEC世界耐久選手権は第8戦を終え、いよいよ最終戦バーレーンを迎える。2台のトヨタTS050ハイブリッドでLMP1クラスに参戦しているTOYOTA GAZOO Racingは11月16~18日に行われる今大会でライバルのポルシェを上回るシーズン5勝目を目指す。
第7戦富士、第8戦上海を制し、2017年シーズンの勝ち星を4に伸ばしたトヨタ。2連勝の勢いに乗るチームは今週末に行われる第9戦、シーズン最終戦であると同時に今季限りでLMP1から撤退するポルシェとの最後の戦いに臨む。
今大会で5勝目を挙げ、ライバルに勝利数で上回ってシーズンを締めくくりたいトヨタは過去2戦と同様に、マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ-マリア・ロペス組の7号車トヨタと、セバスチャン・ブエミ/中嶋一貴/アンソニー・デビッドソン組の8号車トヨタの2台体制で最終戦にエントリー。
度重なる不運などで今季未勝利ながら8戦中4戦でポールポジションを獲得している7号車トヨタは待望の初勝利を。僚友の8号車トヨタは富士からの3連勝とシーズン5勝目を狙う。
戦いの舞台となるバーレーン・インターナショナル・サーキットではナイター設備を用いてWECのシリーズ戦では唯一となるナイトセッションが行われる。トヨタはこのコースで2013年と2014年に総合優勝。また、シーズンを通して苦戦が続いた2015年には引退レースを迎えたアレックス・ブルツが2号車トヨタTS040ハイブリッドを駆り表彰台を獲得している。
「このレースでの勝利によって、シーズン最多勝となるだけにチーム全員は気合に満ちています」と語るのは村田久武チーム代表。
「ライバルは今シーズンも強さを発揮し、チャンピオン獲得という形で実力を証明しましたが、富士と上海では我々もしっかり速さを示し、彼らを凌駕することができました。残る最終戦も全力を尽くし、ファンの皆さまに最後のLMP1クラスの激闘をお届けしたいと思っています」
悲願の今季初優勝を狙う7号車トヨタの可夢偉は「僕たちは上海でしっかりと最速を示すことができましたので、バーレーンでも同じような実力が発揮できることを目指します」と意気込む。
「このレースが強豪ライバルとの最後の一戦になるので、激戦のバトルを楽しみたいと思っています。目指すところは、もちろん勝利。自信もあります。必ずチャンスはあると思っています」
チームメイトのコンウェイも「バーレーンは得意なコースだから、今週末が楽しみだよ。目標はズバリ、7号車での勝利だ!」と自信を覗かせる。
「前戦の上海ではタイヤについて多くを学べた。バーレーンもタイヤに関してはよく似たコースだと思うので、上海の経験がアドバンテージになってくれることを望んでいるよ」
1年間頑張ってくれたチームのためにも好結果で終えたいという一貴は「レースで勝つことは常に自信に繋がります。好調だった上海の後ですので、しっかり自信を持ってバーレーンに挑めます。とはいえ、上海とはコースもレースも別。3連勝のために全力を集中して臨む必要があります」と気を抜かない様子。
2014年に同地でワールドチャンピオンを獲得したデビッドソンは「バーレーンでのレースは毎回楽しく、今週末も速さを発揮できるレースにしたいと考えているよ」とコメント。
「上海での好調さを維持し、8号車の3連勝でシーズンを締め括りたいね。バーレーンでは、チャンピオンを獲得した良い思い出がある。この週末もまた新たな思い出を残せることを願っているんだ」
WEC最終戦バーレーンは16日(木)の公式練習走行で始まり、17日(金)の予選を経て、18日(日)16時00分(日本時間22時00分)に6時間レースのスタートが切られる。
決勝翌日の19日(月)には恒例のWECルーキーテストが実施され、トヨタはレギュラードライバーのコンウェイと、今季、LMP2クラスでル・マンクラス優勝を飾ったトーマス・ローランがトヨタTS050ハイブリッドをドライブする予定だ。