教員の不祥事やいじめなど、学校にまつわるネガティブなニュースが連日のように報道されるなか、はてな匿名ダイアリーに10月中旬、「そもそも学校って必要なのか?」という記事が投稿された。
投稿者は"学校"というシステムそのものを「不要」だと感じており、
「授業は教科書と配信だけで十分、人間関係は個々人が好きに学べばよし、小卒・中卒・高卒・大卒の認定は資格試験みたいな方式で取得すればいい」
と提言している。
「人と接する能力」も資格にすればいい?
確かに、日本では中学校を卒業するまで全ての子供に学校で教育を受けさせることが義務づけられているが、ホームスクーリングが盛んな米国などでは、子供を学校に送らず、家庭内で学習させるケースも少なくない。
また学校は勉強をする場所であると同時に、人間関係やコミュニケーションを学ぶ場所でもあるが、それについても投稿者は、
「人と接する能力すらもいっそのことそういう資格にしてしまえばよし(共同生活能力準2級みたいな感じで)」
という持論を展開している。
この記事に対し、はてなユーザーからは多くのコメントが寄せられていたが、「システムの見直しは必要」「今の学校のシステムは時代遅れだ、という視点は同意」など、投稿者の主張に一定の理解を示す声も見受けられた。
また、"学校は不要"とは言わないまでも、
「飛び級とかはもっと認めたほうがいい」
「公立中学も学力別にならんかな」
「フリースクールのような教育機関も学校と同等の評価を得られるようにする制度作りも必要」
など、現在のシステムには改善すべき点があるという意見もあった。
「毎日子供らが家にいたらこっちの頭がおかしくなる」
一方で、多くのユーザーは、学校をなくすことによるデメリットを指摘していた。ひとつは家庭ごとの教育方針や収入格差により、各々が受ける教育のレベルが大きく変わってしまうという点だ。
「子供は親を選べないんだから、教育のチャンスを平等にするために学校がある」
「家庭環境に恵まれず学習の機会がなかったら、また虐待されていたら。10歳より下の段階でそこから脱出できるチャンスは無いに等しくなっちゃう」
というコメントの通り、全ての子供たちに平等な教育機会を確保するための機関として、学校は重要な役割を担っていると言えるだろう。
また、親の負担が増えることを懸念する意見も目立った。子供を持つ母親だというユーザーは、「夏休みだけでも嫌になるのに毎日子供らが家にいたらこっちの頭がおかしくなるわ!!」と、嘆きの声を上げていた。
さらには全く別の観点から、
「学校があったからこそ女子と話したり一緒にメシ食ったり一緒に帰ったりできたんだろ。ボーナスステージだったんだよあれは。もっとコイン集めとかなきゃいけなかったんだよ。いけなかったんだよ……」
と、学校でしか味わうことのできない青春を懐かしむユーザーもいた。
現行の学校制度が様々な問題を孕んでいることは事実だが、学校そのものをなくすというアイディアは、今のところ現実的ではなさそうだ。