ホンダ・チーム・アジアは11月13日、2018年シーズンのMoto3クラス、Moto2クラス参戦体制を発表した。
ホンダ・チーム・アジアは、アジア全域から世界のトップレベルで戦い、活躍できるアジア人ライダーを発掘・育成するためのチームとしてMoto3クラスとMoto2クラスに参戦。2017年に同チームから参戦した中上貴晶が、2018年シーズンから最高峰のMotoGPクラスへの昇格を果たした。
2018年シーズンも引き続きMoto3クラスにホンダ・チーム・アジアとして、Moto2クラスにイデミツ・ホンダ・チームアジアとして参戦。Moto3クラスでは鳥羽海渡、ナカリン・アティラプワパの2名を継続起用。Moto2クラスではカイルール・イダム・パウィを継続起用し、中上の後任には新たに長島哲太が加入することになった。そして、チーム監督には新たにHRCテストライダーの青山博一が就任する。
監督に就任した青山は、2003年に全日本ロードレース選手権のGP250で年間チャンピオンを獲得。2004年からMotoGPの250ccクラスにフル参戦を開始し、2009年にはチャンピオンに輝いた。2010年から最高峰のMotoGPクラスに昇格。2010年、2011年、2013年、2014年の4年間MotoGPクラスで戦い、2015年以降はHRC(ホンダ・レーシング)のテストライダーを務めている。
青山は「私自身がチャンピオンになれたのも、多くの方々の協力があってのことでしたので、今度は私が次の世代のライダーたちをサポートしたいと思っています」と次のようにコメント。
「鳥羽選手とナカリン選手は、彼らがアジアタレントカップ、CEVレプソルインターナショナル選手権で走っている頃から知っているライダーたちです。それぞれのキャラクターも分かっているので、彼らがMoto3の選手としてさらに成長できるような環境を整えたいと考えています」
「アジア人ライダーとして次代を担っていく長島選手、パウィ選手に、私がライダーとして積み重ねてきた10年間の経験を、成功も失敗も含め全て伝えたいと考えています。Moto2クラスでよりいい結果が出せるよう彼らを全力でサポートし、中上選手のようにMotoGPクラスに昇格ができることを期待しています」
チーム・アジアからMoto3クラスへの継続参戦が決まった鳥羽。2017年はランキング30位でシーズンを終えている。
「今シーズンは世界選手権への参戦1年目で苦戦しましたが、多くのことを学ぶことができました」と鳥羽。
「来シーズンは青山さんが監督になられますが、青山さんは2015年のCEV Moto3参戦時から、コースサイドで自分の走りを見てくださっているので、自分のことをよく分かっていただけていると思います」
「今期の経験を活かし、また、青山さんのアドバイスをいただきながら、チャンピオン争いができるよう、オフシーズンからしっかりと準備をしてがんばります」
中上の後任として新たに加入する長島は、1992年生まれの25歳。2014年からMotoGPのMoto2クラスにフル参戦を開始するが、ケガによりシーズン後半を棒に振った。2015年からはFIM CEVレプソルインターナショナル選手権Moto2ヨーロピアンチャンピオンシップに参戦、2016年にランキング2位を獲得した。2017年は再び戦いの場をMotoGPのMoto2クラスに移し、ランキング26位でシーズンを終えている。
「来年度より、イデミツ・ホンダ・チーム・アジアの一員になれることを光栄に思います。ご協力いただいたホンダの皆さまをはじめ、多くの方々に支えられて来シーズンをともに戦えることに心より感謝しています」と長島。
「来シーズンは青山さんがチーム監督になられるということで、250cc世界チャンピオンを獲得した青山さんのもとで、ライディングはもとよりレースに対する姿勢やトレーニング方法など、多くのことを学びたいと思います」
「Moto2クラス参戦2年目となる来シーズンは、表彰台の獲得を目指し、ライダーとして成長した姿を皆さまにお見せできるように日々精進していきます。これからも応援のほど、よろしくお願いします」