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スーパーGT:シンティアム・アップル・ロータス 2017年第8戦もてぎ 決勝レポート

2017年11月13日 14:52  AUTOSPORT web

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シンティアム・アップル・ロータス
スーパーGT 2017第8戦 MOTEGI GT GRAND FINAL 決勝レースレポート

 11月12日(日)、2017年シーズンの最後を飾るMOTEGI GT GRAND FINALの決勝レースが、ツインリンクもてぎで開催されました。土曜日の予選を14番手で終えたCars Tokai Dream28は中盤からの追い上げを図るべく、加藤寛規選手、高橋一穂選手とともにシンティアム・アップル・ロータスで250kmのレースをチーム一丸となって闘いました。
 
■決勝レース
 みごとな秋晴れとなった青空のもとで、13時00分ちょうどにパレードランがスタート。2周のウォームアップを終えて、53周の決勝レースが予定通りスタートしました。
 
 スタートを担当したのは、エースドライバーである加藤選手でした。最終戦の舞台となったツインリンクもてぎは、シリーズのなかでも最もストップ&ゴーに特化したサーキット。
 
 トラクション性能という点ではEVORAもミドシップレイアウトを採っていますが、その最大の武器であるコーナリングパフォーマンスを活かせるコーナーが少なく、立ち上がり加速でFIA-GT勢やJAF-GT勢に対してパワーが劣るマザーシャシーにとっては、決して相性のよいコースとは言えません。
 
 なおかつレース開始時の気温は17度、路面温度も25度と想定より大幅に低く、決勝レースに選んだタイヤを機能させるには、少し厳しい状況でした。
 
 このような状況から序盤は立ち上がり加速でライバルに先行を許し、コーナーでは前を塞がれる状況に、EVORAは少しずつその順位を落として行きました。しかし加藤選手は諦めることなく、ときに1分50秒台を刻みながら、極めて繊細な操作でEVORAを走らせ続けました。
 
 そして15周を過ぎたあたりから、状況は変わりはじめました。特に予選をソフトなタイヤで臨んだチームたちが早めのピットインを始めてからは、一時は19番手まで落ちた順位が一気に10位まで上がりました。

 また加藤選手も徐々に開けてきたコース状況と、フューエルエフェクトのシンクロによって、50~51秒台をコンスタントにマーク。上位陣と遜色ないタイムを刻み続けながら、24周目には5番手までそのポジションを引き上げました。
 
 しかし、迎えた29周目のダウンヒルストレートで、突然のアクシデントがEVORAに襲いかかりました。なんの予兆もないままに、エンジンがストールしてしまったのです。
 
 加藤選手は電源スイッチを入れ直すなどして最後まで復旧を試みましたが、EVORAのエンジンは目を覚まさず、残念ながらリタイアとなってしまいました。こうして2017年シーズンは、すべてのレースが終了しました。
 
 今年は Cars Tokai Dream28 にとって、非常に厳しいシーズンとなりました。しかし全8戦を諦めることなく闘い続け、これによって得られたデータは決して無駄にはなりません。
 
 来期のことは名言できませんが、チームオーナーであり最年長のジェントルマンドライバーである高橋一穂選手も、まだまだ気力十分です。
 
 2018年シーズンもSGT LOTUS EVORAとともにスーパーGTへ参戦するべく頑張りますので、変わらぬ応援のほど、なにとぞよろしくお願い申し上げます。応援ありがとうございました!
 
コメント
チーフエンジニア:渡邊信太郎
「リタイアの原因については、ドライバーのコメントからはガス欠も考えられるのですが、レース中はフューエルユーズを聞きながらこれを管理していますしこれは考えにくい。急に止まったことから考えると、燃料ポンプや配線の可能性もありますが、車両を確認しないと何とも言えません」

「レースについては、バックアップ用のタイヤで臨まねばならなかったことが大きく影響しました。特に今日の気温は想定よりも大幅に低く、さらにこれをハードよりのタイヤで走らせたので、ドライバーも厳しかったと思います」

「そんな無理の利かないグリップ状態でも、加藤選手は丁寧にEVORAを走らせてくれました。それだけにリタイヤとなってしまったのは残念ですね。今年は前半で車両のトラブルやクラッシュが多く、やるべきことがテストができませんでした。来年はこれをきちんとクリアして、結果に結びつけたいと思います。一年間、応援ありがとうございました!」

ドライバー:加藤寛規選手
「もてぎは加速のよいマシンに前を塞がれてしまうとどうにもならないのですが、ライバルたちがピットインし出してこれが開けてからは、やっとペースを上げることができました。でもその矢先にエンジンが止まってしまって……」

「なんとか再起動を試みたんですが、だめでした。今年はEVORAの速さも見せられなかったし、本当に苦しいシーズンでした。本当に……苦しかったですね。そのような状況でも沢山の応援をしていただき、ありがとうございました」

ドライバー:高橋一穂選手
「今年は自分もまったく乗れていなかったですし、マシンもマイナートラブルやクラッシュによって、きちんと仕上げることができませんでした。でも来年はシャシーを新たにするつもりですし、心機一転です。いつまでやるんだろうと自分でも思いますけれど(笑)、がんばります!」