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『トットちゃん!』黒柳徹子役に抜擢、清野菜名の実力は? 覚悟のヌードからブレイクまでの道筋

2017年11月13日 12:32  リアルサウンド

リアルサウンド

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 テレビ朝日系列「帯ドラマ劇場」第2弾となる『トットちゃん!』が、現在放送中だ。同ドラマで、黒柳徹子役に抜擢されたのは、女優・清野菜名。全国ネットの連続ドラマでは、今回が初主演となる清野だが、ここ最近の活躍ぶりは目を見張るものがある。今年だけでも映画『暗黒女子』、『ユリゴコロ』、『パーフェクト・レボリューション』、ドラマ『やすらぎの郷』(テレビ朝日系)、『ゆとりですがなにか 純米吟醸純情編』(日本テレビ系)と話題作に立て続けに出演。CMにも引っ張りだこで、見ない日はないほどだ。これだけ活躍しているにも関わらず、不思議とゴリ押感はなく、多くの人を惹き付ける。


参考:黒柳徹子自伝ドラマ『トットちゃん!』は朝ドラと似て非なるもの? “赤裸々な昼ドラ”の狙いを読む


 清野のイメージと言ったら、天真爛漫・清楚・清潔感というワードが頭に浮かぶ。どこか吉瀬美智子に似た正統派の美人である一方で、クセのない容姿からは等身大の可愛らしさも感じられる。9月から流れているキスをテーマとした「モンダミン」CMのWEB動画では、清野が30パターンのキスのシチュエーションを披露しており、彼女にしたい女優No.1と言っても過言ではないほど男心をくすぐられる。


 一方、映画『パーフェクト・レボリューション』では、主人公・クマ(リリー・フランキー)に恋をする、人格障害を抱えた風俗嬢・ミツを演じた。ミツの純粋で気性の激しい言動を、決して上っ面に感じさせないほど自然に見せていた清野。彼女の芝居からは、心の底から感情を溢れ出しているような瑞々しさを感じる。


 そんな清野を一躍有名にした映画と言えば、2014年の園子温監督作『TOKYO TRIBE』だろう。女優としてはまだ無名に近い清野だったが、激しいアクションとヌードも辞さない大胆な演技で、見る者を驚かせた。女優を諦めかけた時に掴んだチャンスだったこの映画は、まさに背水の陣だったに違いない。満島ひかりや二階堂ふみなど、若手女優を厳しく育てることでも知られる園作品を経験したことで、女優としての覚悟というものが備わった印象だ。当時、清野が「この映画で自分に自信を持つことができるようになった」と語っていたように、そこから一気に成長。続く、2015年公開の初主演作『東京無国籍少女』でも血まみれで激しいアクションを繰り広げ、若手アクション女優の名を欲しいままにした。


 ただ、最近の清野からはあまりアクション色を感じない。その理由について彼女は、2016年の映画『雨女』のインタビューで、「アクションを評価をしていただけたのはうれしいですし、好きなんですけど、そこの立ち位置がどうとか、アクション女優として成功したい、というような意識はとくにないんです。(中略)以前は、そこに頼っていた自分がいました。演技だけでは勝負できなくて、アクションがないと不安だったり……。それを克服したくて、あえてアクションがない作品をやったりという感じで、いろいろな役柄や作品に出演させていただくようにしています」(引用:清野菜名、演技への不安を払拭したアクション「でも、アクション女優で成功したいという意識はない」/ORICON)と明かしてる。


 女優として常に挑戦し続け、努力を惜しまない清野。そんな彼女が『トットちゃん!』で、あの黒柳徹子を演じる。ただでさえ、国民的スターを演じるのは相当なプレッシャーだろう。加えて、昨年NHKで放送された『トットてれび』では、同じ園子温に鍛えられた満島が黒柳徹子を演じ好評を博していただけに、当然演技力も比較される。しかし、注目度で言えば女優としてこれほどのチャンスはない。


 清野は「“おてんばで素直でかわいいけれど、気品がある”というトットちゃん像を頭にしっかりおいて、最後まで楽しく演じていきたいと思います」と意気込みを語っている。黒柳の人生を描くドラマだが、“おてんばで素直でかわいいけれど、気品がある”はまさに女優・清野を表現するのにピッタリの言葉。今ドラマは幼少期のパートでまだ出番はないが、清野演じるトットちゃんが見られる日はもうすぐそこだ。(文=本 手)