第8戦もてぎ
マシンバランスは上向くが上位には届かず
予選のポジションが悪かったので決勝までにセッティングを見直し、ウォームアップ走行で確認したところ、バランスは向上しているようだ。ARTA NSX-GTは今年3回もポールポジションを獲得していて、シーズンを通して大きくバランスが狂うことはなかったが、昨日はなかなか出口が見えなかった。
抜きどころが少ないこのコースでいかに順位を上げていけるかは、作戦とレースラップの速さが鍵を握る。
スタートドライバーは野尻智紀。スタート直前にトップの2台が接触する波乱のスタートになったが、野尻は順位をキープして周回を重ねた。しかし、6周目に10番手にポジションをあげた時に、300クラスの車両に引っかかったタイミングで後続車に追突されてしまうハプニングがあった。
リヤのディフューザーが破損してしまうものの、ラップタイムに影響はなく、そのまま走行を続け翌周には8番手までポジションを上げる。しかし、徐々にタイヤのグリップが落ちてきてしまう。
野尻は必死にコントロールし、21周目にルーティンのピットインを行った。この時点でポジションは7番手。
小林崇志に代わり、13番手でコースに復帰。他車の接触もあり、25周目にはポイント圏内の10番手までポジションを上げる。小林はトップグループのラップタイムで安定した周回を重ね35周目には9番手までポジションを上げた。
しかし、そこからさらにポジションを上げるまでには至らず、今季最後のレースを9位で終えた。
今年応援して下さったファンの皆さま、そしてチームを支えて下さった皆さまに感謝を申し上げます。ありがとうございました。来季も宜しくお願いします。
コメント
鈴木亜久里監督のコメント
「決勝のラップタイムは悪くなかったね。もう少しレベルを上げていかなくてはならないけど、昨日の状態からここまで引き上げてくれたチームには感謝します。今年応援、ご支援して下さった皆さまに御礼申し上げます。ありがとうございました」
星学文エンジニアのコメント
「昨日の予選でセットを上手く合わせ込むことができなかったので、昨晩ドライバーやタイヤエンジニアとミーティングして方向性を大きく変えました。昨日より改善されたようで、レースラップもそんなに悪くありませんでした」
「しかしまだトップとの差があり、まとめ切れなかったところがありました。今年勝てたレースもありましたが、アベレージで言うとまだレベルが高くないので、来年はどうやってアベレージを上げて行くかをオフシーズンで作り上げていきたいです」
野尻智紀選手のコメント
「予選のポジションが悪かったので、作戦としては僕がマキシマムの周回まで引っ張って、他車がピットインしている時に順位を上げて行く予定でした。序盤は攻めていないにもかかわらず、他車と比べて速さがあると感じました」
「しかし、そこから10周を過ぎたあたりで僕らが煮詰めきれていない部分が顔を出してきてしまい、思うようなペースを刻むことができませんでした。予定通りに進めることができなかったので、早めにピットインして小林さんに代わりました」
「ファーストスティントではそれなりに順位を上げることもできましたが、今週末は予選までに車を仕上げきれなかったのが一番の反省点です。今シーズンは勝つこともできましたが、上手くできないレースもあり、浮き沈みが激しいシーズンでした。安定して戦えないとポイントを稼げないので、僕たちの新たな課題ができたと思っていますが、飛び抜けて良かった部分もあるので、レベルを少しずつ上げていきたいと思っています」
小林崇志選手のコメント
「ファーストスティントで野尻選手のタイヤが厳しくなってきたので、後半は違うコンパウンドのタイヤでコースに出ていきました。最初から猛プッシュしてペースもすぐに上げることができたのですが、今年あまり起こらなかったピックアップの症状が発生してしまいました」
「何とか走りながらそのピックアップを取ることもできたのですが、300クラスの車両を抜く時にまた出てしまって、なかなかコンスタントに周回することができず、前車との差を広げられてしまい悔しい思いです。来年に向けてまた頑張っていきたいです」