好きなものを否定されるのは、あんまりいい気がしないものだ。気にしないという人も多いだろうけど、傷ついたり、怒りをおぼえるという人も決して少なくないはずだ。自分なりに好きになるだけの理由があるわけで、他人にそれをどうこう言われる筋合いなど、本来はない。
先日「はてな匿名ダイアリー」に、「好きな食べ物はステーキです←は？」という投稿があった。この投稿内容が、結構面白いのでちょっとこちらで紹介したい。（文：松本ミゾレ）
好きで当たり前のものをいちいち好きだと表明するのは馬鹿らしいのか？
投稿者は、好きな映画に「バックトゥザフューチャー」、好きな歌手に「美空ひばり」、好きなゲームに「ゼルダ」、好きなアニメに「プラネテス」などを挙げてしまう人々に、疑問を呈している。
どういうことなのか。本人曰く「よほど偏屈な奴以外は皆それ好きだろ。だってそれはそのジャンルの上澄みじゃないか。俺だって好きだわ」。その上でこういう回答をする人に対して「俺とコミュニケーションを取る気がないのか？」と感じているのだ。
ただ、個人的にはプラネテスなんてアニメ観たこともないし、ゼルダよりも有名なゲームもあるし、歌手に美空ひばりというのも「お前いくつだよ」となるし、映画についても同じ感想を抱いてしまう。「うおお、香ばしいなあ」と思える投稿である。
恐らくこの人物は、好きなものを問われたとき、オーソドックスにみんなが好きなもの（と、自分が認識しているもの）を答える人が許せないのだろう。ステーキなんてたしかに大勢が好きなものとして挙げるが、それが癪に障るようだ。
だが、自分勝手な言い分に思える。別にステーキだろうとなんだろうと、好きなものは好きでいいじゃないか。それを「俺とコミュニケーション取る気がない」とか言われても、知らん（笑）
相手が「これが好きだ」と表明したものが思いっきりメジャーなものだったとして、何がいけないのか。全然意味が分からない。
大体、「好きなものは何？」とか聞いてくる時点で人としての面白さがない！
新手の釣りかと思えるほどの投稿であるが、コメントを見ても冷ややかな反応が多い。
「『好きな食べ物は？』とかざっくりした質問をして、相手にはガチな返事を求めるってなんなん」
「そこで流せないお前の方がよっぽどコミュニケーション拒否してる」
やっぱり、ちゃんとした社会人は、流石にコミュニケーションをするためには、もっとまともな質問をするはずなのだ。「何が好き？」なんて、ホステス見習いの女子大生みたいな質問は絶対しないし、したとしても、そこから何とか話を広げようとするものだろう。
自分からつまらない質問をして、相手が当たり前の返事をしたらこき下ろす。そういうつまらない人間になってはならないと、強く、強く再確認できるエントリーであった……。
