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名探偵ポアロの口髭開発に9ヶ月!? 『オリエント急行殺人事件』ケネス・ブラナーが明かす

2017年11月12日 11:12  リアルサウンド

リアルサウンド

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 12月8日公開される映画『オリエント急行殺人事件』で主演兼監督を務めたケネス・ブラナーが、自身が演じた名探偵ポアロの口髭の開発についてコメントした。


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 本作は、アガサ・クリスティーのミステリー小説を新たに映画化したもの。豪華寝台列車“オリエント急行”の客室で起こった、前代未聞の殺人事件を描き出す。主演のブラナーをはじめ、ジョニー・デップ、ミシェル・ファイファー、デイジー・リドリー、ジュディ・デンチ、ペネロペ・クルスらがキャストに名を連ねている。


 ポアロを演じたケネス・ブラナーの役作りは、ポアロが登場する長編33作と短編50作すべてを読破することから始まったといい、なかでも口髭に強いこだわりをみせた。ブラナーは「アガサ・クリスティーは、著書で口ひげを“巨大な”と描写しているから、それを実現することにしました。口髭はポアロにとって、超能力だったのです。彼の口髭は人々を近づかせない力があり、探偵としての仕事をやりやすくなったのです」とポアロの口髭が果たす役割を明かす。そんなブラナーとヘアメイクアップ・デザイナーのキャロル・ヘミングはさまざまなサンプルや資料を持ち込み、クリスティーが小説で描写する「威厳があり、巨大な髭」を再現しようとした。


 「キャロルは、ポアロの口髭は実は二重の効果があるものではないかと言い出したのです。確かにそうだと思いました。なぜなら、クリスティーは小説の中で口髭を表すのに常に“威厳があり、巨大な”という表現を使っていたからです。それはまるでマスクのような描写でした。口髭そのものが独立しており、構造と外見ともに、とても優美でインパクトの強烈なものでなければいけなかったのです」と口髭開発の糸口を振り返る。初段階のデザインプロセス後、チームで実際にブラナーの顔を使って口髭のテストを開始。「“この口髭が本当にキャラクターにとって必要な役割を毎回果たしているか?”と常に問いかけました。殺人ミステリー設定で、このようなキャラクターの場合、口髭が大概の時間、キャラクターに変わって事件を思索しているものなのです」と、ブラナーは自身にとって大きなチャレンジであったと振り返る。


 9ヶ月に渡るリサーチと開発プロセスが費やされ、劇中のような大きさに行きついたポアロの口髭。さらにブラナーは、ネクタイひとつとっても結び目のアングルにこだわり、毎日数ミリ違わず同じ形であることにもこだわったという。(リアルサウンド編集部)