ルノーのマネジングディレクター、シリル・アビテブールとルノーのパワーユニットユーザーであるトロロッソの代表フランツ・トストの間に激しい論争が起こり、ルノーは今季末での契約終了を待つことなく、供給を停止するのではないかとのうわさまで持ち上がっている。しかしこれをルノー側が否定、レッドブルもいさかいを収めようとしている。
アビデブールはブラジルGPの金曜、最近トロロッソにパワーユニットの問題が連発しているのは、トロロッソにおける扱いに問題があると示唆。これに怒ったトロロッソ側は、土曜にプレスリリースを発表し、最近のトラブルはチーム側のパワーユニットの扱いによって起きたものではないと主張した。さらに、ルノーとトロロッソがコンストラクターズ選手権でランキング6位争いをしていることがトラブルと無関係ではないかもしれないとの内容のコメントも付け加え、パワーユニットの提供において不公平な扱いがなされた可能性を示した。
トスト代表は、こういったリリースを発表したことに関し、チームとしてアビテブールの発言に強い怒りを覚えていると語り、謝罪は拒否している。
これに対し、アビテブールも憤りを示しており、最終戦を前にルノーはトロロッソへのパワーユニット供給を打ち切るのではないかとのうわさまで持ち上がった。
土曜朝のFP3の前に、激怒したアビテブールがレッドブルを訪れ、モータースポーツコンサルタント、ヘルムート・マルコに対して怒りを示すような場面も見られた。その後、ふたりは他のスタッフとともに改めて話し合いを行ったといわれている。
ルノーのアドバイザー、アラン・プロストは、カスタマーチームは平等に扱っており、最終戦を前に供給をストップするようなことも断じてないと発言した。
「我々は(コンストラクターズ選手権の)順位をひとつ上げるために汚い手を使うようなことは絶対にしない」とプロストはSky Sportsに対してコメントした。
「彼らにアブダビでエンジンを提供する。それは間違いない」
一方、マルコは声明を発表し、ルノーはカスタマーチームに対してこれまで不公平な対応を行ったことはないと明言した。
「数多くの成功を収めてきた過去10年において、我々は現在のエンジンサプライヤーとの間で喜怒哀楽を経験してきた」とマルコは述べている。
「長いシーズンが終わりに近づくいま、感情が高まる時期であるが、我々の間には貴重な関係が築かれており、それは今後も維持される」
「我々はエンジンサプライヤーから公平に扱われていないという疑問は一切抱いたことがない。それは現在も変わらない」
メキシコではルノーパワーユニットにトラブルが多発、ユーザー6人中ふたりしか決勝を完走できなかった。ブラジルでもトロロッソのふたりが問題に見舞われている。
トロロッソはすでに2018年に向けてホンダとパワーユニット供給契約を結んでいる。