11月11日現地時間午後2時、ブラジルGPの予選が行なわれた。朝から空を覆っているどんよりとした雲は依然として残り、軽い霧雨のような雨が空気中に漂ったりしていて、セッション中の降水確率は40%。気温は18度、路面温度は29度と金曜に比べればかなり寒いコンディションで、午前中のフリー走行でもタイヤのウォームアップに苦しむドライバーが多かった。
Q1は各車がスーパーソフトでアタックを開始したが、フェラーリ勢だけはソフトタイヤを履く。FP3でギヤボックストラブルに見舞われたランス・ストロールはマシンの修復作業がまだ完了せず出走ができない。
開始から2分が経過したところで、最初のアタックラップに入ったばかりのルイス・ハミルトンがターン7でリヤが流れてタイヤバリアにクラッシュ。マシンがボトミングしややラインを外れてのスピンオフだった。
セッションはこれで赤旗中断となり、午後2時10分に15分50秒を残して再開。この間にストロールは修復作業が完了しマシンに乗り込んだ。ここでもフェラーリ勢だけがソフトタイヤを履き、他は全てスーパーソフト。
バルテリ・ボッタスとレッドブル勢は最初にコースインした際に履いていた中古のタイヤを引き継ぎ、他は全て新品に履き替えてアタックに臨んだ。
タイヤの温まりが良くない一方でデグラデーションが小さいため、各車とも連続アタックで次々とタイムを更新していく。フェラーリ、メルセデスAMG、レッドブルに次いで上位につけたのはフォース・インディア勢で、その後ろにマクラーレン勢、ルノー勢、フェリペ・マッサも僅差で続く。
残り5分を切ったところで11番手ストフェル・バンドーン以下の中団勢は2回目のアタックに向かう。
マシンとコース習熟が充分でなかったストロールは18番手でQ1敗退、パスカル・ウェーレインはQ2進出まで0.053秒差まで迫ったが16番手で果たせず、17番手ピエール・ガスリー、19番手マーカス・エリクソン、そしてノータイムのハミルトンがQ1敗退となった。
午後2時33分にQ2が始まる頃には軽い小雨が降ってくるが、路面コンディションに変化を及ぼすほどではなく、各車ともスーパーソフトタイヤで走行、ダニエル・リカルドだけは決勝のスタートタイヤを考慮してソフトタイヤでアタックする。
ここでトップに立ったのはボッタスで1分8秒901、ベッテルが0.112秒差で2番手、ライコネンが0.215秒差で3番手、フェルスタッペンが0.497秒差でやや離れて4番手、ソフトタイヤのリカルドは0.632秒差で5番手となり、0.711秒差まで迫ったマッサが6番手につけ、フェルナンド・アロンソは1.060行差で7番手。しかし14番手ケビン・マグヌッセンまではそこから0.4秒も離れていない大接戦となっている。
残り3分を切ったところで7番手アロンソ以下がコースインし、これを見て上位勢も動き6番手マッサとこれ以上予選を戦う意思のないブレンドン・ハートレー以外の全車が2回目のアタックに入る。
ここでベッテルが1分8秒494でトップに立ち、ボッタスは1分8秒638までしか縮められず。3番手には0.556秒差でフェルスタッペンが続いた。アロンソがマッサを抜いて1.099秒差の6番手でQ3に進出、しかしバンドーンは13番手でQ2敗退となった。その他に僅差の中でハートレー、ハース勢、そしてエステバン・オコンがQ2敗退となった。
Q3の1回目のアタックではライコネンとヒュルケンベルグは中古のスーパーソフトで臨み、それ以外は新品スーパーソフトを投入。ここでもベッテルが1分8秒360まで縮めてトップに立ち、ボッタスは0.082秒差の2番手。
ライコネン、フェルスタッペン、リカルドと続き、3強の後ろ6番手にはペレス、7番手ヒュルケンベルグ。8番手アロンソ、9番手サインツと0.4秒以内にひしめき、マッサはターン6でサインツと交錯してバランスを乱し1回目のアタックを断念した。
Q3最後のアタックでベッテルはタイムを更新することができず、逆にボッタスが0.038秒上回って大逆転でポールポジションを獲得してみせた。
2位はベッテル、3位ライコネン、4位フェルスタッペン、5位リカルド。3強の後ろは6位ペレス、7位アロンソ、8位ヒュルケンベルグ、9位サインツ、10位にマッサという結果になった。リカルドは10グリッド降格が決まっているため、6位以下は1つずつ繰り上がったグリッドを手にすることになる。