2017 AUTOBACS SUPER GT Report
MOTEGI GT GRAND FINAL
第8戦 ツインリンクもてぎ
ZENT CERUMO LC500
#38 立川祐路/石浦宏明
◆11月11日(土) QUALIFY
公式予選総合結果 9位(1分37秒858)
<公式予選>天候:晴れ コース状況:ドライ
第7戦タイを終え、18ポイント差ながら立川祐路/石浦宏明のふたりがチャンピオンの可能性を残しているLEXUS TEAM ZENT CERUMO。泣いても笑っても2017年のラストレースとなるツインリンクもてぎでの第8戦に向け、全力を出し切るべくチームは準備を進め、11月11日(土)の公式予選日を迎えた。
この日は午前8時45分から、曇天の下で公式練習がスタートした。開始直後には赤旗も出されたが、ZENT CERUMO LC500は立川がステアリングを握りコースイン。レースウイークに向けたセットアップを煮詰めていくが、立川からは「少しアンダーステアがある」というインフォメーションがピットへ飛んだ。ただ、ZENT CERUMO LC500自体のパフォーマンスは高そうで、アンダーステア対策をしながら立川は11周を周回。石浦にステアリングを委ねた。
ZENT CERUMO LC500のコクピットに収まった石浦は、決勝レースに向けたロングランを行う。その間に上空に立ちこめていた雲はどんどん薄くなり、もてぎ上空は晴天に。また、気温も上昇しはじめた。午前10時20分からスタートしたGT500クラスの専有走行、今回行われたDTMドイツツーリングカー選手権マシンのデモラン等を挟み、サーキットサファリ等の時間も使って石浦は周回を重ね、24周をこなし1分37秒929というベストタイムに。この公式練習は6番手タイムをマークした。
ただ、石浦からも立川と同様、それほどZENT CERUMO LC500のフィーリングは悪くないものの、ややアンダーステアが感じられる印象が聞かれた。村田卓児エンジニアは、予選での上位グリッド獲得を目指しZENT CERUMO LC500に手を加え、多くのファンで賑わったピットウォークの後、午後2時からの公式予選に挑んだ。
予選Q1を担当したのは石浦だ。ライバルたちと同様に、残り8分を切ってからZENT CERUMO LC500はコースイン。石浦は他のマシンたちとの間隔を調整しながら、計測2周目にタイムアタックを敢行していく。
大きなミスもなくアタックを終えた石浦が、コントロールラインを通過すると記録されたタイムは1分37秒858。悪くはないタイムだが、ライバルたちのタイムはどうか……!? チェッカーフラッグが振られ、タイミングモニターに表示された順位はまさかの『9』。予選Q1突破に必要な8番手までに入ることができず、ZENT CERUMO LC500はなんとQ1脱落となってしまった。
タイムとしては決して厳しいものではなかったが、僅差のGT500クラスのなかで惜しくもQ1突破を果たせなかった。ピットでQ2に向けて準備を進めていた立川は、悔しそうにタイミングモニターから背を向けた。しかし、すぐにチームは気持ちを切り替え、翌日の決勝を見すえた。ピットに戻った石浦も、計測2周目のアタックに「一概には言えませんが、ひょっとするとライバルには計測3周目もいたので、それの方が良かったのかもしれません」と悔しがった。
ZENT CERUMO LC500のレースでのパフォーマンスは、午前の公式練習で行ったロングランでもドライバーたちは高いものを実感している。チャンピオン争いについては苦しいグリッドとなってしまったが、「最後はいいレースをして終わりたい──」とLEXUS TEAM ZENT CERUMOは決勝へ向けて、気持ちを新たにした。
ドライバー/立川祐路
「公式練習の感触では、クルマのフィーリングも比較的良く、手ごたえもありました。若干のアンダーステアはありましたが、それほど大きな問題ではなかったですね。残念ながら予選ではうまくいかず、自分のQ2のアタックはできませんでしたが、自分が乗っていた感触は悪くないので、明日はなんとか追い上げたいと思っています。タイトル争いはすでにレース前から厳しい状況にはなっていましたし、ライバルの動向もありますからね。今年最後のレースなので、とにかく勝って、いい形で今シーズンを終えたいと思っています」
ドライバー/石浦宏明
「午前の公式練習では、立川選手からステアリングを受けとり、燃料を多く積んでロングランを行いました。ただ、立川選手も自分もアンダーステアの症状を訴えていて、予選に向けてセットアップの変更をしたものの、レベルアップには繋がらず、Q1を突破することができませんでした。今のところ流れがあまり良くありませんね。レクサス陣営のなかでも最近は順位が決まってきてしまっているので、その状況を打開しなければいけないと思っています」
浜島裕英監督
「Q1突破までほんのわずかなタイムでしたが……。Q2へ進出できなかったのは非常に残念でしたね。今回はライバルメーカーが非常に速く、ふたつポジションを失っている部分はありますが、それを抜きにしても少し力が足りなかったかもしれません。ただ、決勝レースに向けてロングランも行っていますので、そのデータを活かしながら、粘り強いレースを展開したいと思っています。タイトル争いは苦しくなりましたが、我々にできることはベストを尽くすだけです」