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GT-Rの予選タイムに驚くレクサス2台。GT500の勝負どころは三者三様のタイヤ戦略にあり

2017年11月11日 21:52  AUTOSPORT web

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ランキングトップながら、予選3番手でライバル2台の先行を許してしまったKeePer TOM'S LC500
ランキングトップのKeePer TOM'S LC500と2位、WAKO'S 4CR LC500のレクサスLC500の一騎打ちになるかと予想されたスーパーGT500クラスのタイトル争い。しかし、予選では今季劣勢にあったMOTUL AUTECH GT-Rがシーズン初のポールポジションを獲得。しかも、2番手のWAKO'Sにコンマ9秒という差をつけただけに、形成は一気に混沌となった。

「アタックはまあまあでした。もうちょっと行けたけもしれないけど、風向きもよく変わってタイヤもアタックの1周しかグリップは出ないので、リスクを冒すわけにはいかなかったですけど、できる範囲でベストは尽くせたかなと思います」と話すのは予選3番手のKeePer平川亮。

「でも、ニスモの速さにはちょっとびっくりしました。6号車(WAKO'S)の前には行きたかったですけど、タイヤのセレクトも違うので、あれ以上行けたのかは分かりません」と続ける平川亮。

「予選上位3台がランキングと全部ひっくり返っていて、前にいられるのはやはり嫌ですね。GT500同士になるともてぎはやはり抜けないですし。ニスモがどういうタイヤを使っているか分からないですけど、あのタイヤが予選用タイヤではなくて明日もあのペースでレース距離の1/3以上行けたら、全然、お手上げです」

「今の予選順位のままだと23号車(MOTUL GT-R)がチャンピオンになるし、6号車がトップでウチが3位だとタイトルは獲れないので、なんとか自力で2位以上に行けるよう、1台は抜けるようにしたいですが、前(1位)と後ろ(4位、5位)にニッサン勢がいるのが怖いですね。ここに来て、守ってくれそうなレクサスが全部いなくなってしまいましたし・・・」と、これまでの大本命だったKeePer平川が不安を覗かせる。

 一方、予選2番手となったWAKO'Sの大嶋和也も、MOTUL GT-Rの予選タイムの驚きを隠さない。

「僕ら的には完璧なアタックで狙っていたタイムも出せましたし、37号車(KeePer)の前に行けて満足なんですけど、正直、ニスモにあれだけ差を付けられたのにはびっくりしました」と大嶋。

「でも、僕らのできることはしっかりできましたので、気持ちを切り替えて、明日の決勝でしっかり走れるようにやるだけです。決勝での自信はもちろん、あります。ミシュランのあのペースが持つような魔法のタイヤはないと思うので、37号車と合わせて3台での気の抜けないバトルになって大変だと思いますが、明日のレースはしっかり頑張ります」と、3台による文字どおりの直接バトルを楽しみにしている様子だった。

 その後の取材で、ブリヂストン装着車のWAKO'Sはソフト、KeePerはミディアムのコンパウンドを履いていたことが判明し、ミシュランを装着するポールのMOTUL GT-Rは、果たしてどこまで周回数を稼ぐことができるのか。

 「決して予選だけを狙ったタイヤではない」ことを強調するニスモ陣営。大本命レクサスLC500の鼻っ面を抑えたMOTUL GT-Rがどのようなレース展開を見せるのか。決勝はコース上の直接バトルだけでなく、トップ3台のタイヤ戦略が大きな焦点となることが確実な状況だ。