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DNCE×SEKAI NO OWARI、Mステ出演 セカオワの世界展開から読むコラボの意義

2017年11月10日 14:02  リアルサウンド

リアルサウンド

 11月10日の『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)に、DNCE x End of the World (SEKAI NO OWARI)が出演。コラボ曲「Hollow」を披露する。


 同コラボは、アメリカのロックバンドDNCEと、SEKAI NO OWARIがタッグを組んだもの。2組は、2016年12月にDNCEの所属レーベルが開いた食事会で意気投合し、今年3月にDNCEが来日した際には、セカオワハウスを訪問。セカオワのメンバーとセッションやカラオケなどを楽しみ、親睦を深めていったという。


 そんななか、SEKAI NO OWARIがアメリカで一軒家を借りて曲作りに取り掛かった際、Nakajin(Gt)が「Hollow」を制作し、それを聴いたFukase(Vo/Gt)が「この楽曲をDNCEと一緒にやったら、すごいいい曲ができるかもしれない」と考え、バンドにコラボを提案。DNCEも楽曲が持つ雰囲気やメッセージに共感し、このコラボが実現したという。


 DNCEのコール・ウィットル(Ba)は「人間同士が自然につながって友情が生まれたという感じ。その結果、コラボすることになって当然の成り行きだよね」とコメントしたり、タイトルについて「ファンに覚えてもらいやすいものにしたい」という両バンドの思いが通じたりと、国を越えた関係性が生んだスペシャルな楽曲だ(以上参照:http://www.universal-music.co.jp/dnce/news/2017-10-24/)。


 SEKAI NO OWARIはこれまで、Owl Cityことアダム・ラヴィーンの「TOKYO feat. SEKAI NO OWARI」に客演として参加したり、ライブのゲストにまだ日本でブレイク前のオースティン・マホーンを呼んだりと、海外ミュージシャンとのコラボレーションを多く実行に移し、そのどれもを成功させてきた。


 バンド自体も、先述したアダム・ラヴィーンのプロデュースによる「Mr.Heartache」や、GorillazやKasabianのサウンドプロデュースを手掛けてきたダン・ジ・オートメイターとタッグを組んだ「ANTI-HERO」、Sigur Rosのプロデューサーで知られるケン・トーマスを迎えた「SOS」を制作したり、Fukaseがケイティ・ペリーやブリトニー・スピアーズ、Owl Cityなどを手がけるボーカル・プロデューサー、エミリー・ライトとともに徹底的にボーカルトレーニングに励み、ネイティブにより近い発音を手に入れるなど、数年前から世界進出へ向けた準備もしてきただけに、今回のコラボの意義も大きい。


 肝心の楽曲は、これまでのコラボのなかだと「Mr.Heartache」に近く、キャッチーなメロディとポップに開けた音像が聴き心地の良さを感じさせる(実際に「Hollow」には<Hey, Mr. Heartache>という歌詞も登場する)。同曲よりもファンタジー感は薄れたものの、最近のSEKAI NO OWARIの作風とは離れたところで、世界基準の音楽を届けたいという意図があったのではないだろうか。聴き手を選ばない、ポップさが「Hollow」には宿っている。


 Fukaseのボーカルも、このような曲調で英詞を歌うと、アダム・レヴィーン(Maroon 5)のような伸びを見せるのかと驚かされた。これまでの「ANTI-HERO」は低いキー、「SOS」はファルセット、「Mr.Heartache」では甘めの声だったことを考えると、多少エフェクトは掛かっているものの、一番彼のストレートな声が活かされているようにも感じる。


 リリックは開放的なメロディとダンサブルなビートとは裏腹に、シンプルに<心を引き裂き、何もかも持って行った“彼女”>への喪失感を歌っているのだが、これもまたSEKAI NO OWARIにとっては今までにないくらいストレートなテーマと言葉の組み合わせ。その点も合わせて、オンエアを見ると、より楽曲を楽しむことができるだろう。(リアルサウンド編集部)