F1の現在の規則では参入はほぼ不可能であると主張するコスワースとイルモアは、リバティ・メディアによる新規則案にポジティブな反応を示した。
先週、FIAとフォーミュラワンは2021年から導入する新パワーユニット案の骨子をマニュファクチャラー側に提示した。
FIAはコストを削減すること、市販車との関連性を維持するためハイブリッド技術を残すこと、マシンのサウンドを向上することなどを目指しており、今回の提案では、1.6リッターV6ターボハイブリッドエンジンを維持しつつ、サウンドを向上させるために最高回転数を引き上げ、MGU-Hは撤廃、MGU-Kが強化されることなどが明らかにされた。
現在F1に参戦するフェラーリ、メルセデス、ルノーはこの変更案に対して懸念や反発を示しているが、BBCによると、イルモアとコスワースはF1復帰を検討する上で、ポジティブな動きであると考えているという。
「現在のレギュレーションは、技術的にも商業的な投資という面においても、新規参入者の力がおよばないようなものだ」とコスワースのマネジングディレクター、ブルース・ウッドがBBCに対してコメントした。
「今回の新たな提案ではインディペンデントにとっても現在参戦する自動車メーカーにとっても参戦が可能になる」
イルモアのマネジングディレクター、スティーブ・ミラーは、「(新しい規則によって、参戦できる)マニュファクチャラーの幅が大きく広がる」と語った。
MGU-Hが撤廃されることで、今よりもシンプルなパワーユニットになり、製造コストは下がるものと考えられており、イルモアとコスワースはそれが新規参入を促す、唯一の道であると述べている。しかしそれでも自身でパワーユニットを開発するには外部から資金を得る必要があるという。
一方、2018年にレッドブルのタイトルスポンサーとなるアストンマーチンも新パワーユニットの規則を注視し、F1参戦の可能性を検討しており、元フェラーリのスタッフを雇用したことも明らかになっている。
また、ドイツのAuto Bildによると、ポルシェもF1参戦への関心を示しているという。しかしポルシェからWECに参戦していたマーク・ウエーバーは、同社がF1に参戦することはないとの考えを示している。
チーム側からは独立系エンジンメーカーの参入を求める声が上がっており、マクラーレンのエグゼクティブディレクター、ザック・ブラウンは、2021年の新規則によってその動きが促されることを期待していると語った。
「独立系エンジンメーカーが1社か2社参入してくれれば非常にうれしい」とブラウン。
「そうなれば、マニュファクチャラーのエンジンを獲得できない場合でも、経済的にも競争力の面でも優れた選択肢を得られることになる」