キャリコネニュースでは、約100万人が登録する国内有数の転職口コミサイト「キャリコネ」のデータから業界別で「働きやすい会社ランキング2017年下半期版」を作成した。今回は教育サービス・学習塾業界のランキングを発表する。
対象は、2016年10月1日~2017年9月30日の期間に評価が10件以上寄せられた企業。学習塾・教育サービス業界では少子化や入試改革に創業者の高齢化や人手不足なども絡み合い、業界再編や校舎の統廃合が近年相次いでおり、こうした再編の動きは今後も進むとされる。
ユーザーは、次の6つの選択項目をそれぞれ5点満点で評価している。
「労働時間の満足度」「仕事のやりがいを感じるか
「ストレス度の低さ」「休日の満足度」
「給与の満足度」「企業のホワイト度(ブラック企業でないか)」
これら全項目の平均点が、その企業の働きやすさの指標となる。
1位:イトクロ 平均4.09点
2位:ベネッセコーポレーション 平均3.50点
2位:公文教育研究会 平均3.50点
4位:さなる 平均3.34点
5位:家庭教師のトライ 平均3.26点
6位:河合塾 平均3.17点
7位:ECC 平均3.07点
8位:学究社 平均2.78点
9位:成学社 平均2.71点
10位:栄光 平均2.63点
1位のイトクロの社員からは「全社で有給推奨日を設け長期休みも可能」という声 やりがいも◎
1位:イトクロ
日本最大級の学習塾予備校情報ポータルサイト「塾ナビ」など、教育メディアサービスを運営するイトクロが、2位に総合平均0.5点以上の差をつけ1位となった。「「主力事業が堅調に成長していることで新規事業にリソースを割くことができるので新規事業に関わる機会も自然と多くなり、そういう環境を求めている人に取ってはすごくいい環境。また、会社も成長課程であるので、制度、仕組み作りに関わることも多く、まさに会社を自分たちで創り上げている、と感じます」(マーケティング 30代前半 男性)という声もあるように、"仕事のやりがい"の項目が4.8点と特に高い。
「仕事に対して真面目に堅実に取り組んでいく社風です。いわゆる勢いで行動することはほとんどなく、まず計画をしっかり立て、緻密にロジック・ストーリーを磨きながらプロジェクトを進めていきます。想定と異なることが起きれば、原因を納得いくまで考え、改善にいかす文化です」(企画営業 20代後半 男性)
「ここ1、2年は全社で有給推奨日を設けて長期休みをとれるようにしたりする取り組みをしてきたことで、有給消化率が上がってきているようです。実際、全社の前で有給取得率を公表してまだ上げていくという話もあるので、メリハリを付けてワークライフバランスを良くしていく、ということを実践できています」(マーケティング 30代前半 男性)
2位:ベネッセコーポレーション
2位には「進研ゼミ」などを手掛けるベネッセホールディングスの事業会社ベネッセコーポレーションが入った。特に高いのが"給与の満足度"(3.9点)だが、「カフェテリアプランや研修のために個々人が自由に使える補助制度もあり、申請も容易。(中略)育児休暇、時短制度なども整っており、産休明けの復帰社員も非常に多い」(広報 30代前半 女性)など、福利厚生の手厚さ、女性の働きやすさを指摘する口コミが多かった。
「コアタイムもないスーパーフレックスタイムのため時間に縛られることなくプライベートも充実させながら仕事ができる。また、福利厚生で住宅手当や保育園料に使える23万ぐらいの補助があり便利。今年度からは映画館の割引などの福利厚生も出来た。団体保険も各種あったり、持株会もある」(編集 30代後半 女性)
「産休育休もあり働きやすい環境だと思います。私はまだ未婚の身ですが、先輩社員の方々は産休明けも働くママとして活躍されている方が多く見られます!周りも良く理解し協力的な会社です。子育て仕事共にとても頑張りやすい環境が整っているので、長く働きたい方にはとても良い環境です」(カウンターセールス 20代前半 女性)
3位:公文教育研究会
公文教育研究会は3位だった。国内だけでなく海外でも幅広く教室を展開している同社。「月末に集計作業があるので、その数日は残業があるものの、それ以外は特にトラブルがなければほぼ残業はありません」(財務・会計関連職 40代後半 女性)といった声もあり、"仕事のやりがい"や"労働時間の満足度"は1位のイトクロに次ぐ点数となっている。
「休日出勤についても、イベントが休日に当たる日がたまにありますが、必ず振替休日を取れるので、不満を感じたことはありません。昼休みも時間がきっちりと決まっているわけではなく、だいたいのアバウトな感じなので、用事のある時は少しオーバーしても大丈夫です」(財務・会計関連職 40代後半 女性)
「入社後しばらく一人につき一人の先輩が付いて、みっちり指導をしてもらえるので、仕事に慣れるのも早かったです。一人で業務をこなせる様になってから以降は、こちらのアイデアも積極的に取り入れてもらえる雰囲気があり、また、やりたい仕事などがあり能力も伴えば、どんどん自己実現できる可能性のある会社です」(財務・会計関連職 40代後半 女性)
4位:さなる
4位には中京地方で「佐鳴予備校」を展開するさなるが入った。"仕事のやりがい"や"給与の満足度"の点はベスト3に入っている。「大なり小なり残業はある。ただ、ひと昔前のこの業界とくらべれば、かなり働きやすい環境に変わってきているのも確か。最近世間で働きかた改革が話題になっているように、この業界でも考えだしたのであろうということは感じる」(教師・インストラクター 20代後半 男性)という声もあった。
「社員の団結力がある。同じ目標に向かっていく時のチームワークはすごい。仕事の後に食事会などをして結束力を高めることもある。女性の活躍も目立ち、女性管理者も存在する。ときおり女子会として飲みに行ったりしているらしく、密な情報交換で意思の疎通をはかるなど、良好な関係を仕事にも活用している」(教師・インストラクター 20代後半 男性)
「授業の進め方など研修が充実していて、しかも研修で得たことをすぐに授業で実践できるので、教師としてのスキルが着々と身に付いていくことを実感し面白みを感じました。あとやはり、担当している生徒が志望校に合格したり、苦手がなくなったりしていく時に特にやりがいを感じました」(教師・インストラクター 30代前半 男性)
5位:家庭教師のトライ
5位はトライグループ傘下で家庭教師派遣などの事業を展開する家庭教師のトライが入った。教育サービスという性質上、今回のランキングでは"仕事のやりがい"の点数が高い企業が多く、同社も3.6点と高い点数を記録している。ランキングの上位企業には劣るが、他項目でも目立って低い数字がなくベスト5入り。
「未来ある中高生を育てるという点に関しては、とてもやりがいのある仕事だと思う。子供に勉強を教えるのが好きな人はうってつけ」(教師・インストラクター 20代前半 女性)
「サービス残業・出勤にならず良心的」(河合塾)「管理職として活躍する女性も多い」(ECC)
6位:河合塾
「担当業務や時期によって残業、休日出勤が発生する可能性があります。高卒生、現役生ともに面談の時期は早出・残業・休日出勤を組み合わせて面接期間内に完了するようにしていました。また、各季節講習前や次2・3月は募集促進のイベントや問い合わせも多い為、月によってはかなり残業時間が多くなります。ただ、基本的には振替休日を取得することが出来るため、サービス残業・出勤にならず良心的だったと思います」(教師・インストラクター 30代前半 男性)
7位:ECC
「本部スタッフも全て営業叩き上げ、会社の女性の比率もとても高いので、男女関係なく成績が出せれば上へ行ける会社です。私が勤務した当時の関東トップは女性でしたし、エリアマネージャー、スクールディレクターも女性の方が圧倒的に多かったです。営業成績が出せれば上も目指せますし、希望も聞いてもらえると思います」(カウンターセールス 30代前半 女性)
8位:学究社
「大変な仕事であると感じるが、指導を行った生徒が志望校に合格し、感謝をされるとこちらもうれしい。最初は授業の予習は大変と感じたが、二年目以降は徐々に楽になっていく」(教師・インストラクター 30代前半 男性)
9位:成学社
「生徒が信頼してくれて、共に志望校に向かって努力をして合格したときはやりがいを感じる。生徒に応えたいという気持ちで長年働いている人もいて、自分自身にも良い刺激になる。苦手科目を克服させるために創意工夫が必要だが、それは考えるのが好きな人にとっては面白みを感じるだろう」(教師・インストラクター 20代前半 男性)
10位:栄光
「生徒一人一人のベスト校合格を掲げており、学力や内申点が少し足りない生徒の教鞭にあたり、最終的に合格させるまでに至った時は本当に嬉しい。また個別指導では一人一人にあった学習内容を考えていくことが必要。もちろん大変ではあるが、その分やりがいはある」(教師・インストラクター 20代前半 男性)