BTCCイギリス・ツーリングカー選手権を運営するTOCAは、来る2018年シーズンに向け新たなスポーティング・レギュレーションの改訂を発表。今季たびたび発生したドライバーのモラル不足による不要な接触、事故を受け、より判定基準を厳格化した新たなモラルハザード基準を導入することとなった。
シリーズのマネージングディレクターを務めるアラン・ゴウは、2017年シーズンに発生したアクシデントのうち、ドライバーの負傷を引き起こしたいくつかのクラッシュに関して「本来なら発生する必要のなかった、ドライバーの認識やスキル不足による事故」と断じ、ペナルティ基準の厳格化を示唆していた。
この新しい規則のもとでは、ドライバーに配布される"ストライク"判定がシーズンの12カ月を通して累積していく形となり、その都度、罰金額も積算されていくこととなる。
3回目の"ストライク"判定を受けたドライバーは、次戦でのグリッド降格処分。4度目は1戦出場停止……とペナルティも増加していき、5回目になると2戦出場停止。6回目は3戦、7回目で残りシーズンへの出場資格が剥奪される。
レース中のバトルによる軽微なインシデントに関しては、当該2台の間でレース後のリザルト上でのポジションの入れ替えが可能となるほか、攻撃側ドライバーのリザルトが抹消され、"ストライク"判定が課されない場合もある。
その他の変更点としては、週末に行われる3ヒートのうち、最終レースに向けて適用されるリバースグリッドがこれまでのトップ6からトップ12に拡大されたほか、毎年ルーキードライバーに資格が与えられる新人王的扱いの"ジャック・シアーズ・トロフィー"に関して、シリーズ初参戦ドライバーだけでなく、キャリアを通じて表彰台獲得のないドライバーにまで対象が拡大されることとなった。
これにより、今季の有資格者は8名だったところ、新規則を適用すると17名のドライバーにJST参加資格が与えられることとなる。
また、これまでTOCAの任意で行われきたブースト・アジャストメントはシーズン1回に限定。パーマネント・ドライバー登録の変更は、シーズンにつき2回まで許される。
さらにドライバーの安全性向上を狙い、フラッグカラーを点灯させる大型のポータブル・ライトパネル6枚を製造し、カレンダーの各サーキットに持ち回りで運用。すべてのイベントのコースサイドで、ドライバーとマーシャルへの視認性を高める地点に設置されることとなった。
また、来季2018年シーズンで創設60周年の"還暦"を迎えるBTCCは、その記念すべき1年を祝うべく7月28~29日にスネッタートンで開催される第6戦の最終ラウンド、レース3を"ダイヤモンド・ダブル"戦として特別ラウンドに認定することを決定。
真夏の祭典としてファンに認知されているこの1戦では、レース3の最終ラウンドを通常のレース距離の約2倍となる60マイル(約97km)のディスタンスに設定。加えて、すべてのマシンは追加のサクセスバラストを搭載しない状態でレースを戦うこととされた。
さらに、このヒートに向けては予選も特別条件となり、決勝前日の28日土曜に全車両がノーウエイトでの予選アタックを行い、グリッドを決定する。
前出のBTCCマネージングディレクター、アラン・ゴウは「BTCCの"ダイヤモンド・ジュビリー"を祝うシーズンに、この特別な拡大戦の導入を発表できたことをうれしく思うよ。さらに今後数カ月のうちに、60周年を祝うさまざまなイベントの概要を発表できる見込みだ」とコメント。
「この60マイルレースは通常の2倍のレースディスタンスとなり、名手たちの素晴らしいドライビング・パフォーマンスを見ることができる、メモリアルな1戦となるだろう。長年BTCCに参戦するすべてのチーム、ドライバー、サーキット、オフィシャル、スポンサー、パートナー、マーシャル、そしてもちろん私たちの熱心なファンと、この興奮を共有できたら幸いだ」