コメ兵が11月7日、同社初のフリマアプリ「カンテ(KANTE)」の提供を開始した。フリマアプリ市場は「メルカリ」をはじめとするサービスが台頭。カンテは後発となるが、なぜこのタイミングで参入に至ったのか。その背景にはCtoC市場で蔓延するブランド模倣品の問題があった。
コメ兵は今年で創業70周年。ブランドリユース業界ではリアル店舗や通販、BtoBのオークションにおいて第1位の実績を持つ。ECを活用したオムニチャネル、相場や品質管理に徹底した商品センターを独自の強みとし、長年使ってきたノウハウを活かしたサービスを展開。実店舗では、2月にオープンした梅田店を機に関西で認知が高まり、5月に出店した名駅店ではカフェを併設したほか植栽やカジュアル衣料品を取り扱うことでリユースに気軽に触れる機会を創出するなど、リユース市場の拡大を図っている。
リユース市場は近年成長し続けており、2015年で1兆6,500億円超に到達。また、新品市場と比較するとリユース率は4.36%と、今後も伸びしろが期待されている。近年はフリマアプリ市場が勢いを見せているが、偽物の出品や商品が空の状態で届くなどのケースが発生。同社が実施したアンケート調査によるとフリマやオークションで中古ブランド品を購入する際に「ブランド品が本物であるかどうか」「商品が本当に届くのか」などの不安がある人が69.8%いることがわかった。コメ兵では真贋の判定を重視した信頼性のあるアプリが少ないことに着目。個人間取引においても独自の鑑定力で偽物を排除し、安心で信頼できる市場として確立するとともにさらなる市場拡大を目指すため、参入を決めたという。
「カンテ」では購入後のアフターケアではなく、購入前の不安を取り除く"ビフォアサービス"として真贋判定機能「KOMEHYO カンテイ」が利用できる点が最大の特長。購入者が希望した場合、出品者がコメ兵にアイテムを発送し、鑑定した後に同社が購入者に配送する。出品は1万円から可能で、スマートフォンで商品を撮影し、商品情報を入力すると完了。買い手がつなかった場合の出品者へのケアとして「買取サービス」を提供している。販売手数料は10~15%。基本利用料は無料で、コメ兵のIDと連携できる。個人間取引に加えて認定ショップによる出品物も掲載。直近の目標として100万ダウンロードを掲げる。
フリマアプリ市場を牽引しているメルカリからも、今年8月からブランド品に特化したアプリ「メルカリ メゾンズ」が登場。カスタマーサポートの増員などを通じて偽ブランド対策を強化している。
■KANTE:公式サイト