ファザーリングジャパンは10月末、「管理職の本音(ボスジレンマ)調査」の結果を発表した。中間管理職の働き方改革推進についての意識と課題を明らかとすることが目的。
その結果、働き方改革を進めるにあたって「会社からのサポートが十分にある」と回答した管理職は8.1%にとどまり、会社から丸投げ状態であることがわかった。
9割が「会社からのサポートが不十分」 マネジメント研修を望む声も
調査は今年8月18日~21日、従業員50人以上の企業に勤務する課長と部長を対象に実施。1044人から回答を得た。
管理職自身の働く環境が3年前と比べてどう変化したかを聞くと、「部署全体の業務量が増加」(46.0%)、「役職における業務量が増加」(42.6%)、「成果に対するプレッシャーが強くなっている」(41.9%)などの回答が上位を占める。ストレスチェック制度など働き方改革推進に関する制度改定などもあり、増加する業務量の中で管理職の負担感が増していることがうかがえる。
しかし前述の通り、会社からのサポートは不十分だ。働き方改革推進について会社からのサポート状況を聞くと、「十分にある」が8.1%だけで、「あるが足りていない」は49.1%に上る。反対に「ほとんどない」(34.3%)、「全くない」(8.4%)という回答もあり、働き方改革推進を会社が管理職に任せきりにしている状況だ。
会社から必要なサポートには、「業務量の削減」が51.5%で最も多かった。「管理職に対するマネジメント研修」(36.4%)、「両立支援制度利用にあたっての賃金制度や評価制度の工夫」(30.8%)、「働き方改革推進についての会社全体の方針の明文化」(30.6%)など、より具体的なサポートを会社から望んでいる。
管理職のワークライフバランスはまだまだ厳しい傾向
働き方改革推進に伴い、部下のマネジメントにストレスを感じる管理職は多い。ストレスの有無を聞くと「強く感じている」(12.2%)「多少感じている」(57.3%)と、合わせて約7割が「ストレスがある」と答えている。具体的には、「パフォーマンスが向上しない」(41.0%)、「人事評価が難しい」(39.4%)などで悩む管理職が多い。
部下にあると良いと感じる姿勢については、「業務効率化に対する部下自身の意識向上」が65.5%で最も多く、「ワークライフバランスに対する部下自身の意識向上」(49.1%)が続いた。働き方改革の推進には、部下の意識が変わって欲しいという管理職の本音がうかがえる。
また、会社からのサポートはなく、さらに部下のマネジメントのストレスもあいまってか、管理職の不満は高まる。 現在の働き方については、「あまり満足していない」(42.7%)、「全く満足していない」(13.1%)と、半数以上が現状に不満を抱いている。
出勤日の平均在社時間を質問すると、半数以上が10時間未満だった。しかし、「10時間以上12時間未満」は29.5%、「12時間以上14時間未満」(9.4%)、「14時間以上」(2.9%)と、12時間以上職場にいる管理職は1割ほどいる。