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NASCAR:TOYOTA GAZOO Racing 2017第34戦テキサス レースレポート

2017年11月08日 11:11  AUTOSPORT web

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NASCAR:TOYOTA GAZOO Racing 2017第34戦テキサス レースレポート
モンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ第34戦テキサス
マーティン・トゥルーエクス・Jr.が2位フィニッシュ
プレーオフ最終ラウンド進出を決める
 シーズン残り3戦となったバトルの舞台はテキサス。トヨタ勢はレースの3分の2ほどを支配する速さを見せたが、終盤惜しくも逆転され、2-3-4フィニッシュ。それでも獲得ポイントでマーティン・トゥルーエクス・Jr.が、前戦勝利したカイル・ブッシュに続きトヨタ勢2人目となるプレーオフ最終ラウンドへの進出を決めた。

 エクスフィニティではオーナーポイントを争う車両をスポットでドライブしたエリック・ジョーンズがレースを支配し勝利。トラック・シリーズではクリストファー・ベルが3位フィニッシュでランキング首位の座を守った。

Monster Energy NASCAR CUP SERIES
第34戦 AAA Texas 500
開催日:11月5日
マーティン・トゥルーエクス・Jr.が2位フィニッシュ。プレーオフ最終ラウンド進出を決める
 11月5日(日)、米国南部テキサス州フォートワースのテキサス・モーター・スピードウェイでモンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ第34戦『AAA Texas 500』が開催された。

 シーズンの終盤10戦で上位ドライバーがタイトルを争うプレーオフも8戦目、第3ラウンドの2戦目を迎えた。現在残っている8人から、今大会を含む2戦で下位4人が脱落し、最終戦ホームステッドで4人によるタイトルが争われることとなる。トヨタ勢ではこのプレーオフ第3ラウンドの8名の中に、カイル・ブッシュとマーティン・トゥルーエクス・Jr.、デニー・ハムリンの3名が残っている。

 今ラウンドの初戦となる前戦マーティンズビルでカイル・ブッシュが勝利。最終ラウンドへの切符を手にした。今季ここまでのプレーオフ7戦中、タラデガを除く6戦でカイル・ブッシュとトゥルーエクス・Jr.が勝利するという圧倒的な後半戦の強さを見せている。

 ハムリンもここテキサスでは過去2勝を挙げるなど好成績を残しており、最終戦進出へ向け期待がかかった。

 5日(日)のテキサスは11月とは思えない暑さとなり、午後1時18分に1.5マイルオーバルを85周、85周、164周の3ステージ合計334周(501マイル:約800マイル)して競われる決勝レースのスタートが切られた。

 最前列2番手スタートのハムリンが好ダッシュで首位に立ったが、5番手スタートのカイル・ブッシュは1周目に他車と接触し車両にダメージ、ピットインを余儀なくされ、イエローコーションが出なかったこともあり、カイル・ブッシュは最後尾の40位、2周遅れとなってしまった。

 序盤はエリック・ジョーンズが2位でハムリンに続きトヨタ・カムリの1-2態勢に。しかし中盤のグリーンフラッグピットでハムリンはややタイムをロス。ステージ1は7番手スタートからポジションを上げたトゥルーエクス・Jr.が2位、ハムリン3位、エリック・ジョーンズ6位。35番手と後方スタートから目覚ましい追い上げを見せたケンゼスが7位、ダニエル・スアレツが10位フィニッシュとなった。

 ステージ2は開始直後にスアレツが接触でスピン。これにより出されたコーションでピット戦略が分かれ、順位が入れ替わったが、トヨタ勢のトゥルーエクス・Jr.、ハムリン、ケンゼス、エリック・ジョーンズらはトップ10圏内をキープ。ステージ2はトゥルーエクス・Jr.が4位、ハムリン6位、ケンゼス8位、エリック・ジョーンズ10位で終えた。

 ステージ3も開始してまもなくスピン車両によりイエローコーション。これでカイル・ブッシュがようやくラッキー・ドッグ(コーション発生時の周回遅れ最上位が首位と同一周回に戻れる救済措置)を獲得。その後ポジションを取り戻して行ったが、突然のタイヤパンクに見舞われ再び後退。

 終盤戦は、ケンゼス、ハムリン、トゥルーエクス・Jr.の3台が首位争いを展開。しかし、終盤40周以上に渡る長いグリーンフラッグ走行が続く中、周回遅れに阻まれる形となったトゥルーエクス・Jr.は惜しくもライバルの先行を許すこととなり、2位でフィニッシュ。それでもトゥルーエクス・Jr.は、これまで獲得してきたポイントにより、最終ラウンド、ホームステッドでタイトルを争う権利を手にした。

 ハムリンが3位、ケンゼスが4位でトヨタ勢は2-3-4位フィニッシュ。

 これで、最終戦でタイトルを争う4人の中に、トヨタ勢としてカイル・ブッシュとトゥルーエクス・Jr.の2名が入ることが確定。今大会勝利を挙げたケビン・ハーヴィック(フォード)が3人目となり、残る1名の座を次戦フェニックスで争うこととなる。

 ハムリンは現在ポイントでは5位。次戦フェニックスで勝利を挙げてのプレーオフ最終戦進出を目指す。

 次戦第35戦は11月12日(日)、米国南西部アリゾナ州エイボンデールのフェニックス・インターナショナル・レースウェイで行われる。

ドライバー マーティン・トゥルーエクス・Jr.
「彼(ケビン・ハーヴィック:フォード)が我々よりも速いことは分かっていた。我々のトヨタ・カムリは速かったが、ロングランで若干苦戦した。彼が猛烈な勢いで迫ってきて、何とか抑えようとしたが、前にいた周回遅れ同士のバトルで空気が乱れ、かわされてしまった」

「とはいえ、最終ラウンド進出を決められたのは本当に嬉しい。昨年残念な思いをしただけに、今年こうして最終戦でタイトルを争うことが出来るなんて、夢のようだ。今から最終戦でどんな戦いが出来るか、考えてとても興奮している」
https://youtube.owacon.moe/watch?v=n5viXJHLRFE

NASCAR XFINITY SERIES
第31戦 O’Reilly Auto Parts 300
開催日:11月4日
エリック・ジョーンズが今季3勝目
トヨタ・カムリは3台がトップ10フィニッシュ
 11月4日(土)にNASCARエクスフィニティ・シリーズの第31戦『O’Reilly Auto Parts 300』がテキサス・モーター・スピードウェイで開催された。

 同シリーズのプレーオフは、シーズン終盤の7戦で、当初12名が選抜され、第1ラウンドの3戦を終えた時点で8名へ。そして続く第2ラウンドの3戦で勝ち残った4名が最終戦ホームステッドでタイトルを争う。

 トヨタ勢ではルーキーのマット・ティフトが第2ラウンドの8名の中に残っている他、オーナーポイント(ドライバーにかかわらずゼッケン番号にかけられる選手権)のプレーオフ争いで、トヨタ・カムリで参戦している18号車と20号車がトップ4につけている。

 今大会、この18号車はトラック・シリーズでタイトルを争っている期待の若手、クリストファー・ベル。そして20号車は一昨年のトラック・シリーズチャンピオンで昨年エクスフィニティ・シリーズのルーキーチャンピオン、そして今季はカップ・シリーズにステップアップしフル参戦している21歳、エリック・ジョーンズがドライブすることとなった。

 4日(土)午後7時47分、1.5マイルオーバルを45周、45周、110周の3ステージ合計200周(300マイル:約480km)して競われる決勝レースがスタート。直前の予選で今季2度目のポールポジションを獲得したエリック・ジョーンズはスタートからステージ1を支配し、一度もその座を譲ることなくステージ1を制した。3番手スタートのティフトが5位、8番手スタートのベルが6位。3台共にプレーオフ争いにおいて重要なボーナスポイントを獲得した。

 ステージ2では、スタート前コーションのピット作業で2位へと後退したエリック・ジョーンズが、ステージ中盤のコーションからの再スタートで首位を奪還。ステージ2も制した。ティフトが5位。トップ5圏内を走行していたベルは残り10周というところでスピン。見事なコントロールで接触は免れたものの、ピットインを余儀なくされ、ポジションダウン。再スタート後追い上げたがステージ2は11位で終えた。

 このベルのスピンによって出されたステージ2終盤のコーションにより、ピットタイミングをずらす戦略に出た車両が多くあり、ステージ3開始前にピットインしたエリック・ジョーンズは15位での再スタート。逆にピットインしなかったベルは3位。また、ティフトもピット作業違反ペナルティで後退を余儀なくされ、24位で再スタート。

 ステージ3前半はベルが2位で首位を追う一方で、エリック・ジョーンズが目覚ましい追い上げを見せ、115周目にはトップ5へ浮上した。

 125周目にスピン車両によりイエローコーション。ここで好ピット作業に助けられたエリック・ジョーンズが首位に復帰。再スタート後はベルと,やはり追い上げてきたティフトが4位を争う展開となった。

 その後はイエローコーションが出ず、終盤にグリーンフラッグ下でのピット作業が繰り広げられたが、全車がピットを終えた時点でエリック・ジョーンズが首位に復帰。最後はライバルの追撃を受けたエリック・ジョーンズだったが逃げ切りトップチェッカー。今季3勝目を挙げた。

 ベルが6位、ティフトは8位。ティフトはプレーオフランキングで5位となっているが、進出圏内の4位とはわずか5ポイント。最終ラウンド進出へ向け、次戦での逆転を目指すこととなる。また、オーナーポイント争いでも、20号車、18号車共に着実にポイントを稼ぎ、最終戦進出圏内の2位、4位につけている。

 次戦第32戦は11月11日(土)、フェニックス・インターナショナル・レースウェイで行われる。

ドライバー エリック・ジョーンズ
「レースをスタートしたときは、我々のトヨタ・カムリは本当に速く、今日はレースを支配出来るんじゃないかと思ったが、そうはいかなかった。我々は多くの周で首位を走り、簡単なレースに見えたかも知れないがそうではなかった」

「エクスフィニティ・シリーズの戦いは年々厳しい物になっている。そんな中で、再びトヨタ・カムリと共にヴィクトリーレーンに上がれたのは嬉しい。前に勝ってから数ヶ月ぶりだし、またテキサスで勝つことが出来たのも良かった」
https://youtube.owacon.moe/watch?v=XHPKza0D8A8

NASCAR CAMPING WORLD TRUCK SERIES
第21戦 JAG Metals 350
開催日:11月3日
クリストファー・ベルが3位フィニッシュ
 NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ第21戦『JAG Metals 350』が11月3日(金)にテキサス・モーター・スピードウェイで開催された。

 トラック・シリーズも残り3戦。プレーオフドライバーは6人に絞られ、最終戦でタイトルを争う上位4人に入るための争いも今大会を含めた2戦で決まる。現在、トヨタ勢ではクリストファー・ベル、マット・クラフトン、ベン・ローズの3名がこの6名の中に残っている。

 3日(金)午後7時11分、1.5マイルオーバルを35周、35周、77周の3ステージ合計147周(220.5マイル:約350km)して競われる決勝レースがスタート。3番手からスタートしたベルが、スタートしてすぐのコーションから再スタートで2位に上がり、25周目の2度目のコーション時には上位勢がピットインしたのに対しコース上に残ったベルは首位へ。

 そのままステージ1を制した。ローズが4位、クラフトンが6位、マイアット・スナイダーが7位、前戦キャリア初勝利を挙げたノア・グラッグソンが10位に入った。

 ステージ2は、ステージ1終盤のコーションでピットインしていた車両が上位へ浮上して再スタート。4位スタートのグラッグソンが好ダッシュを決めて2位に上がると、60周目には首位を走っていたチームメイト、スナイダーをかわして首位浮上。

 グラッグソンがステージ2ウィン。スナイダー、12位スタートから追い上げたベルが3位でカイル・ブッシュ・モータースポーツの若手がトップ3独占。カップ・シリーズでタイトルを争っているマーティン・トゥルーエクス・Jr.の実弟であるライアン・トゥルーエクスが5位、ローズ6位、クラフトンは8位となった。

 ステージ3も、ステージ2終盤にピットインした車両がコース上に残ったため順位が入れ替わった。ここでクラフトンは痛恨のピット作業違反ペナルティ。ベルがトヨタ勢最上位の8位で再スタート。

 ステージ3は一度もイエローコーションが出ない展開のままチェッカーを迎えることとなり、追い上げたベルがトヨタ勢最上位の3位フィニッシュ。プレーオフランキング首位の座を守った。

 グラント・エンフィンジャー7位、ライアン・トゥルーエクス8位、クラフトンは9位、グラッグソンが10位。プレーオフを争っているローズは、ステージ2まではトップ10圏内を走行していたが、ステージ3スタート前のピット作業でタイムをロスし大きくポジションダウン。追い上げたが18位でレースを終えた。

 この結果、ランキングでクラフトンはカットラインとなる5位から24ポイント差の3位。ローズは圏外の5位へとひとつポジションを落としたが、4位とは5ポイントの僅差で、最終戦でのプレーオフ進出を目指し次戦に臨む。

 次戦第22戦は11月10日(金)にフェニックス・インターナショナル・レースウェイで開催される。

ドライバー クリストファー・ベル
「ステージ1は予定通りのレースが出来、首位にも立てた。その後のピットで後退し、トップ3までは追い上げたがそこまでだった。しかし我々のトヨタ・タドラのハンドリングは最高だった。ただ、他の車両のハンドリングも良かったようだ」

「ポイントの面で考えれば良いレースだったと言えなくもないが、我々はポイント獲得レースを望んでいない。我々にはレギュラーシーズンで稼いだボーナスポイントがあるので、勝ちを狙うレースが出来ると思っていたし、ステージ1までは勝てそうな感触もあった」

「(第17戦)ロードンで勝って以来、勝てそうで勝てない(4戦中2位2回、3位1回)レースが続いている。ポイント面では悪いレースではなかったが、勝ちたかった」