2017年シーズンのJRC全日本ラリー選手権にCVT搭載のトヨタ・ヴィッツを投入しているTOYOTA GAZOO Racing。11月3~5日に行われた第9戦新城ラリー2017では、大倉聡/豊田耕司がクラス2位表彰台を獲得し、JN3クラスのシリーズランキング2位を手にした。
今シーズン、TOYOTA GAZOO Racingはモータースポーツの厳しい環境下で「人を鍛え、クルマを鍛える」べく、スポーツ制御CVTを搭載したTGR Vitz CVTを全日本ラリーに投入。第2戦ツール・ド・九州ではクラス2位を獲得するなど、好走をみせている。
シーズン最終戦となる新城ラリーはチームにとって“ホームイベント”と呼べるターマック(舗装路)戦。今大会に向けて、チームはCVT制御の最適化に加え、エンジンやトランスミッションに装着しているガード類を小型にすることで、5kg前後の軽量化を施した。
ドライバーである大倉にとっては、これが新城ラリー初参戦ということもあり、11日(土)は慎重な走りをみせる。それでもSS5ではクラス最速タイムを記録する力走をみせ、クラス2番手/総合21番手で初日を走りきった。
しかし、12日(日)午前に行われたSS10を走行中、大倉はスタートから約1kmの地点でマシンを縁石に当ててリヤサスペンションを破損してしまう。
大倉はダメージを抱えながらもステージ41位で走りきると、サービスパークへ。チームクルーは作業時間内にサスペンション交換を行い、ふたたびステージへマシンを送り出す。
マシンを受け取った大倉は危なげない走りで残り4SSを完走して、JN3クラス2位表彰台を獲得。シリーズランキングでもクラス2位の座を確定させた。
「車両を縁石にヒットさせてしまい、メカニックに負担をかけてしまいましたが、完璧な修復作業で2位を守ることができてホッとしています」と語るのはドライバーを務めた大倉。
「初めての新城ラリーは、やはり手ごわかったですね。攻めがいのある面白いコースでしたが、なかなか思うようにいきませんでした」
「ペースノートの精度も含め、あらためて自分の足りない点に気付かされました。シーズンの集大成として結果を残せて良かったです」
チームを率いる豊岡悟志監督は「今シーズンはCVT車両で挑みましたが、実戦の場でしか得られないさまざまなデータを得ることができました」とシーズンを振り返った。
「チーム力という面では、全員が能動的に動けるようになったと感じていますが、それぞれのスタッフは自分で新たな課題を見つけ、さらなる成長を目指そうとしています」
「来シーズンに向けては、いろいろなプランを考えていますし、つねに進歩を求め続けていきたいと思います」