2005年より"トヨタ車体"として世界一苛酷といわれるラリーレイド、ダカールラリーに参戦を続けるチームランドクルーザー・トヨタオートボデー(TLC)は11月2日、2018年1月6日に幕をあける『ダカールラリー2018 ペルー・ボリビア・アルゼンチン』への参戦発表会を開催した。
かつてはチーム・アラコとして、パリ-ダカール間で開催されていた1995年から同大会に挑戦を続けてきたトヨタ車体。
発表会では“もっといいランドクルーザーづくり”を進めるため、2015年8月にマイナーチェンジを受けた『ランドクルーザー200』をベースとした独自のラリー仕様車2台を仕立て、2018年大会にも継続参戦すると発表した。また、同社取締役社長である増井敬二氏により、2017年大会に続くワン・ツー・フィニッシュ奪取が宣言されている。
この2018年仕様の新型モデルは、これまで積み重ねてきたラリー車づくりのノウハウを受け継いだ正常進化モデルといえるもの。
2017年大会で新しく導入したサスペンションにより、路面追従性を高めスピードアップした既存モデルを基準に、マイナーチェンジモデルの車体剛性等に合わせてエンジンコンピューターのセッティングを煮詰め、低速域からエンジントルクがよりフラットに立ち上がるよう改良された。
砂丘路面での操縦安定性が向上し、2018年大会の勝負どころと予想されているペルーの砂丘ステージで、より高い戦闘力を発揮できるクルマに仕上がっているという。
また、2007年大会から導入され、TLCの代名詞ともなっている"バイオディーゼル燃料(BDF)"の使用も継続され、TLCのスポンサー各社や近隣自治体の小中学校の協力により集められた廃食油を利用し精製されたBDF100%燃料をすべての行程で使用する予定となっている。
そのチーム体制は、市販車部門4連覇を3年ぶりのワン・ツー・フィニッシュで達成したパッケージをそのまま継続。1号車ドライバーには優勝請負人のクリスチャン・ラビエルを起用し、2号車はおなじみ社員ドライバーの三浦昂がステアリングを握る。
この2018年大会はイベント創設40周年の記念大会となっており、主催者のASO(アモリ・スポーツ・オーガニゼーション)が「それにふさわしいドラマ性、競技性の高いルートを設定した」とするとおり、1月6日にペルーのリマをスタートした一団は、序盤から大会最大の難所でありハイライトでもある、美しく苛酷な砂丘群を抜けるルートに挑戦。
その後はボリビアに渡り首都ラパスで休息日を挟んだのち、標高4000m級の高地戦が展開。クルマにも人にも苛酷なステージを経て、終盤はアルゼンチンに入り気温40度越えの砂丘ステージ群と、前回大会で多くの競技者がミスコースに苦しんだサン・フアン周辺の干上がった河川跡を行くステージなど、世界最高峰のラリーレイド・イベントにふさわしいルートが予定されている。
今大会からSS競技区間が5000km以上に拡大され、さらに7ステージでは未開の地域が新ステージとして設定されることと合わせて、近年にないサバイバル戦となることが予想されている。