マクラーレン・ホンダの活躍を甘口&辛口のふたつの視点からそれぞれ評価する連載コラム。レースごとに、週末のマクラーレン・ホンダのコース内外の活躍を批評します。今回は2017年F1第18戦メキシコGPを、ふたつの視点でジャッジ。
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過去1度も、ポイントを獲得することができなかったメキシコで、フェルナンド・アロンソが10位に入賞した。この結果は、非常に価値がある。レース後、長谷川祐介ホンダF1総責任者も「ルノーと比べれば、明らかにうちの方が戦闘力はありました」と、戦前の予想を覆して実力でポイントを獲得したことを評価していた。
ホンダとは対照的に、メキシコGPでのルノー勢は惨憺たる内容だった。マックス・フェルスタッペンは優勝したが、6台のうち4台が週末にPUにトラブルを抱えたからだ。
レッドブルのダニエル・リカルドは土曜日の夜にパワーユニットを交換したにもかかわらず、レース中にMGU-Hの故障と思われるトラブルでリタイア。
トロロッソのピエール・ガスリーはフリー走行2回目で問題が発生した後、エンジンを交換したものの、フリー走行3回目で再びパワーユニットにトラブルが発生したため、タイムアタックすることなく、予選を終了。その後、PUを交換し最後尾からスタートした。
そのチームメイトのブレンドン・ハートレーは、予選Q2でターボが故障。パワーユニットを交換したレースでは、オイルの一部がエキゾーストに入り、ストップした。
ルノーのニコ・ヒュルケンベルグもPUのトラブルでストレート脇にストップ。詳細は明らかにされていないが、マシンからジャンプして飛び降りたところをみると、MGU-HなどERS系になんらかの不具合が発生していた可能性が高い。
そんな中、ホンダは初日にストフェル・バンドーンのデータにちょっとした不具合が発見されただけで、大きなトラブルは起こさずに、週末を走りきった。
信頼面で問題を起こさなかっただけではない。パフォーマンス的にも素晴らしい走りを披露した。予選のQ1でアロンソが出した1分17秒710は、Q3の9番手を上回るタイム。もし、アロンソがQ3に進んでタイムアタックをしていれば、7番手か8番手も十分可能だった。そうなっていれば、レースではストロールの前、6位でフィニッシュしたかもしれない。
しかも、メキシコGPの予選とレースで使用されたエンジンは、金曜日の夜に交換されたもので、メキシコGPのフリー走行で使用された最新スペックの「3.8」は、温存されたまま。もちろん、そのスペック3.8は残り2戦に使用される。
戦前の予想を覆す走りを披露したメキシコGPでのマクラーレン・ホンダ。残り2戦は、戦前の予想を上回る走りを期待したい。
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