今週初めにF1から提示された新たなエンジンルールについて各チームが取り組むなか、ウイリアムズの技術部門トップであるパディ・ロウは、違う問題に焦点を置くべきだと考えている。
2021年から施行されるF1の新たなエンジンルールは、このスポーツが構築していくべき将来に向けての根幹と見なされている。すでにチームは新たな提案に反発しており、次回のストラテジーグループのミーティングでさらなる議論が行われることになっている。
ロウは、F1のリーダーたちはエンジンにかかりきりになるのではなく、トップチームと中団以下のギャップを縮めることで競技を公平にすることを焦点に、幅広く問題に取り組むべきだと考えている。
「F1ではエンジンの問題について多くの議論が行われているが、それはこのスポーツにおける最大の問題ではない。エンジンが大きな問題となっているのは、首位を争うトップ3チーム間でのことだ。現時点で最大の問題は、残りのチームとの大きな格差だ。エンジンの選択とは関係がない」とロウは話す。
興味深いことに、ロウは規則変更の実施に対して慎重な姿勢を見せている。このことが過去に、ランク内の差を誘発したことがあるからだ。
「レギュレーション変更がチャンスを生み出すこともあるが、実際には差を生み出すこともある。それが空力や、その他のことであってもだ。レギュレーションをそのままにし、安定させておいた方が、実はまとまりが生まれやすい」
「今日のエンジンを見ればわかるが、レベルは3年前よりも近づいている。いかなるレギュレーション変更であっても、細心の注意を払うべきだと私は考えている」
「人々は、新レギュレーションはまとまりを生み出すのに必要なものであると見ていて、これは興味深いことだ。しかし実際には逆のことが起きる。パワーや空力や他のことであれ、そうなるのだ」
「逆に極端な方へ行き、すべてを標準化するレギュレーションにしてしまえば、そういったことは起きなくなるだろう。しかしそうだとしても、標準とは何を意味するのだろうか? 難しい話だ」