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WEC:トヨタ、レース終盤に1-2逃すもポルシェに並ぶ4勝目。ロペス「クラッシュは僕のミス」

2017年11月06日 11:52  AUTOSPORT web

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パルクフェルメへ向かう8号車トヨタTS050ハイブリッド
WEC世界耐久選手権は11月5日、第8戦上海の決勝レースが行われ、TOYOTA GAZOO Racingはセバスチャン・ブエミ/中嶋一貴/アンソニー・デビッドソン組の8号車トヨタTS050ハイブリッドが総合優勝、マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ-マリア・ロペス組7号車トヨタTS050ハイブリッドはレース終盤のアクシデントの影響で総合4位となっている。

 前戦富士でワン・ツー・フィニッシュを達成したトヨタは、第8戦上海でも好調を維持。7号車トヨタが走行初日のフリープラクティス1回目から公式予選までの全セッションでトップタイムをマークするなかで5日の決勝レースを迎えた。

 11時00分にスタートが切られた決勝では、ポールポジションスタートの7号車トヨタが好スタートをみせて後続を引き離していく。一方、予選3番手となったブエミ駆る8号車トヨタは、ソフトタイヤを履く7号車トヨタと戦略を分けハードタイヤでスタートしたため、オープニングラップでシリーズランキングを争う2号車ポルシェ919ハイブリッドに先行を許してしまう。

 しかし、タイヤが温まってくると一度抜かれた2号車ポルシェを逆転。さらに2番手を走る1号車ポルシェもオーバーテイクして、トヨタの2台がワン・ツー体制を築いていく。

 そんななかスタートから30分が経過したころでトップを走る7号車トヨタのロペスが、LMP2マシンをコーナーのイン側から交わそうとした際に接触。ハーフスピンを喫し順位を3番手に落としたが、7号車トヨタはすぐに1号車ポルシェをオーバーテイクして2番手に復帰している。

 レース開始から1時間を迎える直前に行われた最初のピットストップでは7号車トヨタがロペスから可夢偉に交代すると同時にソフトタイヤからハードタイヤにスイッチした。ふたたびワン・ツーとなったトヨタ勢はその後、レース中盤に急激に下がった路面温度に対応するため、ソフトタイヤを装着していくが、ペースは乱れることはなく2台揃って順調に周回を重ねていく。

 チェッカーまで残り1時間を切り、最後のピットストップを行なった8号車トヨタは一貴からブエミに交代。一方、僚友の7号車トヨタは1回前のピットイン時にコンウェイから代わったロペスが2スティント連続走行に入り、2番手からトップに立った。

 ところがピットアウト直後、レース残り40分というタイミングで7号車トヨタはバックストレート手前の13コーナーでLM-GTEプロクラスの91号車ポルシェ911 RSRと接触。左リアサスペンションにダメージを負い、修復作業を余儀なくされてしまう。

 その後、7号車トヨタはコースに復帰したものの、最終的に総合優勝を飾った8号車トヨタから7周遅れの総合4位となった。なお、優勝した8号車トヨタは総合2位となった2号車ポルシェを周回遅れにするなど、今戦ではトヨタがライバルを圧倒していた。

 しかしチャンピオン争いでは2位、3位となったポルシェ勢が3年連続となるマニュファクチャラーズタイトルを最終戦を残して確定させているほか、2号車ポルシェのティモ・ベルンハルト/アール・バンバー/ブレンドン・ハートレー組がドライバーズチャンピオンを獲得している。

■優勝した一貴「チームメイトが良い走りをしてくれた」

「今シーズン4回目の優勝は格別な気分です。この週末を通して、チーム全員が素晴らしい働きをしてくれました」と語るのは村田久武チーム代表。

「3日間の全セッションでトップタイムを叩き出し、ポールポジションと優勝を獲得しました。ゴール寸前のところで他車との接触によってワン・ツー・フィニッシュが実現できなかったのは残念でした」

「ポルシェチームのドライバーズ、マニュファクチャラーズ両タイトル獲得にお祝いを申し上げます」

 前戦富士から2連勝を飾った8号車トヨタの一貴は「クルマを最高に仕上げてくれたスタッフとチームクルーに本当に感謝しています。セバスチャン(・ブエミ)とアンソニー(・デビッドソン)はとても良い走りをしてくれましたが、僕自身はコース上の混雑と、コース上に散ったタイヤかすに苦しみました」とレースを振り返った。

「それにより若干のタイムロスもあったと思いますが、最後まで頑張りました。今日は勝てるだけの速さがあったので、優勝という結果はとても嬉しいです。次の目標は今シーズンの最終戦での5度目の勝利です」

 一方、週末を通じて速さをみせていた7号車トヨタの可夢偉は「とても残念なレースになってしまいました」とコメント。

「僕たちのクルマは好調だったのですが、今日はタイヤの摩耗に少々苦戦しました。それでも充分に勝利を争える位置で、諦めずに戦い続けましたが、最後の接触で4位までポジションを落としてしまったのは悔しいです」

 可夢偉のチームメイトであるロペスは「僕の(終盤)2回目のスティントはタイヤがとても厳しい状況だったが、そんななかでGTマシンと接触してしまった。僕のミスなのは確だが、避けるのは難しい状況だったんだ」と終盤のアクシデントを振り返った。

「ターン13でのアクシデントは、これまでにもさまざまなレースで何度も経験してきた状況でその都度、接触を避けてきていた。今回の映像を見直して徹底的に対策を講じ、さらに強くなって戻って来るよ」

 WECの次戦、最終戦バーレーン6時間は2週間後の11月16~18日に行われる。