全日本ロードレース選手権、JSB1000クラスの決勝レース2を終え、表彰台を獲得した3人が会見に臨み、戦いを振り返った。
■中須賀克行(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)/優勝
「レース1と、レース2で同じタイヤを使いました。レース1は7周で使い切る走り方、レース2は20周を最後まで持たせる走り方で、しっかりタイヤも使えたし、レースをコントロールできました」
「(タイトル争いがない)自分ができることは優勝だけ。ヤマハの強さと自分の強さを示せたと思っています。年間での最多勝もできたし、ディフェンディングチャンピオンらしい強さを見せることができたと思います。ヤマハ、ブリヂストン、そして応援してくれたファンのおかげです。感謝の気持ちを伝えたいです」
「周回遅れが出たら勝負だと思っていました。前に出るならシケインだと思っていたし、高橋選手も前に出てくれっていうオーラを出していたけど、意地でも前に出ないようにしていました。僕らは高いレベルのいいレースをしていたから、その中で駆け引きしていました。思っているところでしっかり仕掛けられたし、コントロールできました」
「(タイトルを逃したことについて)こういうシーズンもあるし、納得しています。これまでチャンピオンを5年続けられたのは自信となっているし、後半戦はチャンピオンのあるべき姿を見せるのが僕の仕事で、100%出せたと思っています。みんながチャンピオンを目指して戦っていて、今年は高橋選手がチャンピオンで、自分は至らなかった。それでも強さは見せられたと思うし、また取ればいいと思っています。高橋選手には心からおめでとうと言いたいです」
■高橋巧(MuSASHi RT HARC-PRO. Honda)/2位
「いつもと変わらない心境でスタートしました。でも、いつもと違ってスタートがうまくいって、うまくいきすぎてびっくりしました。さすがにホールショットは取れないだろうと思っていたら、周りが後ろに行く感じで自分が前に出てしまいました」
「前に出たからには勝負したかったし、5台で連なった中である程度のペースを作ることができました。後半はきつくなったから、(中須賀選手に)前に出てほしかったです」
「チャンピオンは優勝で決めたいという気持ちが強く、スタートがうまくいったから序盤の様子を見てうまくいくかなとも思ったのですが、最初の2、3周でペースが読めて自分の優勝は難しいと感じました。抜かれてからが勝負だと思ったのですが一瞬で離されてしまいました」
「(チェッカーを受けた瞬間は)ホッとしました。9年JSB1000クラス走ってきて初めてチャンピオンになれて、やっと取れたという気持ちです。無事にゴールできてホッとしたけど、優勝回数は2回だから、課題もあります。まだあまり喜べないけど、時間が経てば実感するかなと思います」
「来シーズンについては、まだ話もできていません。チャンピオンを取ったらある程度は自分の要望が出せるかなと、まずはチャンピオンを取ることしか考えていませんでした。これから動いて海外参戦が実現するのは現実味がありませんが、チャンピオンだからこそ言えるチャンスはあると思っています。来年はどこで走るにしろ、与えられた環境で精一杯やっていきます」
■渡辺一馬(Kawasaki Team GREEN)/3位
「バイクも僕の調子もよく、レース2のペースでついていくのも余力がありました。でも前についていくだけで、前に出られる余裕はありませんでした」
「今年から今のチームに移籍して、開幕戦の鈴鹿2&4は5位という順位で始まりました。最終戦の最終レースではトップ争いに加われ、3位を勝ち取れたのは、1年をとおして成長できた証だと感じています」
「チームには僕の要望に合わせてバイクをアップデートしてもらいました。僕のスキルも上がったのが重要だと思います。結果的には悔しいし、課題は残っていますが、来年に向けてその課題をクリアしていくことで、壁を乗り越えられるよう、もっと努力したいと思います」