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苦戦の津田、高橋巧とは逆に好調の渡辺。最終戦の予選で何が起こっていたのか

2017年11月04日 21:12  AUTOSPORT web

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津田拓也(左)、高橋巧(中)、渡辺一馬(右)
いよいよ最終戦を迎えた全日本ロードレース選手権JSB1000クラス。予選ではヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームの2台がレース1、2ともにワン・ツーと強さを見せた。そんななか、チャンピオン争いを展開している津田拓也、高橋巧、渡辺一馬の3人はどうだったのか。

■予選前はフィーリングの悪さに苦戦した津田
 現在、155ポイントでランキングトップにつけている津田。木曜日の特別スポーツ走行は2分7秒970で7番手、金曜日のART合同走行は2分7秒552で9番手と2分6秒台に入れられずにいた。

「昨日、一昨日とバイクのフィーリングがまったく良くなく、トラブルじゃないかというくらい悪かったのですが、予選でようやく良くなって、走行1回目を迎えたという感じです」と津田。

「(予選では)攻めれるようになったのですが、(アタックする)タイミングが悪かったり、Q2で違うタイヤを使ったら良くなく、Q1のタイムを越えられなかったです」

「昨日よりは良くなってきたので、レースは明るく迎えられそうです。やっと前向きになってきたという感じです」

 第1レース、第2レースともに3列目からのスタートとなった津田「第1レースは8番手、第2レースは9番手スタートと良くはないのですが、そのなかでもやれることは多くあるので、きっちり戦ってチャンピオンを獲りにいきたいです」と初のチャンピオン獲得に向け意気込みを語った。

■予想が裏目に出た高橋巧
 ランキングトップの津田と6ポイント差でランキング2番手につける高橋。木曜日の特別スポーツ走行、金曜日のART合同走行ともに総合トップで終えたため、予選前から好調のように見えた。

 しかし、予選では序盤から現れた雲により気温が下がり、低くなった路面温度に苦戦。第1レースは4番手、第2レースは6番手からのスタートとなった。

「昨日まではそんなに悪くなかったのですが、予選では天気が曇って路面温度も下がり、自分が選んでいるタイヤやセッティングがいい方向にいかなかった。もう少し路面温度が上がることを予想していたので、それが裏目に出ました」

 決勝日も予選日とほぼ同じ気温で、路面温度が低くなる見込みだが、高橋はマシンに大きな問題はないと語る。

「明日も涼しいことがわかっているので、対策をしなければいけないのですが、(マシンの)仕上がり自体は悪いわけじゃないし、(明日に向けて)アジャストすればいいだけなので、大きな問題ではないです。チャンピオンだけ考えていくしかないですね」

「津田選手の真後ろではダメですし、一馬選手の前でゴールしないといけないので、ふたりの前でゴールできるようにしたいです」

■フロントロウ獲得と好調を見せた渡辺一馬
 予選でフロントロウとなる3番手につけた渡辺。「調子は良いです」とマシンのフィーリングに自信を持っているようだ。

「マシンの感触はすごく良いです。鈴鹿での開幕戦では2分6秒8に入れることにとても苦労しましたが、最終戦では2分6秒台を何度も出しているし、Q2では2分6秒081と、5秒が見えるまでになりました。セクタータイムをつなげば2分5秒台に入るペースだったので、自分たちがやってきたことが1年を通して正しかったと、タイムで証明できたことがうれしいです」

「今回の最終戦に向けて用意してくれたパーツもありましたし、少しずつアップデートも重ねてきているので、それが結果に示せたのかなと思っています」

 逆転チャンピオンに向けて好位置につけた渡辺だが、チャンピオン争いに関してはあまり意識していないと語る。

「ランキング3番手でポイントリーダと11ポイントの差があるので、どうしたらこのレースを勝てるかということだけを意識しています。予選も3番手なので、もう少しタイムを詰めていかないといけないですね」

「チャンピオン争いのことはあまり意識してもしかたないと考えています。今の状況では、ヤマハのふたりが速いのが目に見えているので、彼らに勝てるようにレース1から取り組んでいかないといけません」

「すごくいい流れで1年を過ごせているし、バイクの進歩や自分のスキル、体力面の向上も感じるので、最後は結果で示したい。もう一度表彰台に登って優勝できれば最高ですね」

 果たしてチャンピオンを手にするのは誰なのか。明日の決勝レースで7年ぶりの新王者が決定する。