マクラーレンF1チームのエグゼクティブディレクターであるザック・ブラウンは、フェルナンド・アロンソはマクラーレンで“レースをする怪物”になったと述べた。
アロンソの中の怪物が最初に解き放たれたのは、マクラーレンが彼の2017年のインディ500参戦を支持したときだ。2度のF1ワールドチャンピオン経験者であるアロンソは、さらに来年のロレックス・デイトナ24時間レースにも参戦することを決めた。
デイトナの耐久レースでは、ブラウンが共同オーナーを務めるユナイテッド・オートスポーツで走る予定となっており、マクラーレンの若い開発ドライバー、ランド・ノリスもチームメイトのひとりとなる。
ブラウンはイギリスのSky Sports F1の取材に「軽い話し合いをした。我々は常にいろいろなレースに関する話をしている」と答え、以下のように続けた。
「私がフェルナンドと彼のマネージャーであるルイス(・ガルシア・アバド)と一緒にいたときに、フェルナンドが『デイトナを走りたい』と言い出した」
「私がルイスを振り返って『彼は本気のようだな』と言うと、彼が『そうだ』と答えたので、それ以上聞き返す必要はなかった」
こうしたことはすべて、世界三大レースを制したいというアロンソの野望の表れだ。彼はすでにF1モナコGPで優勝を果たし、今季はインディ500のオーバルコースをも初めて経験した。
次の目標はル・マン24時間耐久レースであり、デイトナはそのための理想的な腕試しの場になる。デイトナでのレースはF1シーズン開始前の1月に開催されるため、スケジュールがバッティングすることもない。
今年、アロンソはインディアナポリスで戦うためにF1モナコGPの欠場を余儀なくされたが、ジェンソン・バトンが1度限りの復帰を果たして代役を務めた。
2018年はル・マンとF1の日程のも重ならないため、シートを確保できさえすればアロンソが世界的に有名なこの耐久レースで走ることは可能となる。
ブラウンは「彼がル・マンに対して興味を持っていることは明らかであり、インディにも再度参戦したいと望んでいる」と認めつつも、2018年のインディ参戦の可能性は低いことを付け加えた。
「これほどまでに(彼がデイトナに対して)強い気持ちを持っていたことに、私は少々驚かされた。だが、決断をするまでには徹底的に考えるというのがフェルナンドのスタイルだ」
「この件についても、私が思っていたよりもずっと考え抜いていたのは明らかだ。彼は自分が参戦したいという意思を、確信を持って口にしたのだ」
「我々は怪物を生みだしたというわけだ。“レースの怪物”だ!」とブラウンは笑いながら言った。
F1メキシコGPが行われた週末、アロンソは取材陣に対して自身が持つ「モータースポーツに関する計画は、誰にも考えが及ばないくらい壮大なものなんだ」と語った。そしてアロンソは、引退する頃には自分のことをレースにおける最高のオールラウンド・ドライバーだと見てほしいのだとも付け加えた。
「僕は世界最高のドライバーになりたい。そのためには、異なるシリーズで勝つこと、異なるマシンで戦うことが必要だ」とアロンソ。
「ときにはこのF1という小さな世界から、飛び出さなければならないこともあるんだよ」