11月3日、WEC世界耐久選手権第8戦上海のフリープラクティス(FP)1回目、2回目が行われ、TOYOTA GAZOO Racingの7号車トヨタTS050ハイブリッドが両セッションでベストタイムをマークした。僚友の8号車トヨタTS050ハイブリッドが2番手につけ、トヨタは走行初日をワン・ツーで終えている。
前戦富士でワン・ツー・フィニッシュを飾ったトヨタ。逆転でのタイトル獲得を目指し、連勝を狙うチームは走行初日となった3日のFP1とFP2、ふたつのセッションでライバルのポルシェを上回る幸先の良いスタートを切った。
今回の戦いの舞台である上海国際サーキットはタイヤに厳しいコースであるため、チームはマシンセッティングとともにタイヤの評価作業に重点を置いて初日のセットアップを進めていく。
しかし、FP1開始時にオフィシャル間の無線トラブルの影響でセッション開始が当初予定されていた11時00分から12時30分へと90分遅れたことから、FP1とFP2のインターバルが短くなってしまった。このためトヨタは短時間での走行データ解析、ならびにタイヤの磨耗状況のチェックなどに追われることとなった。
そんななかで迎えたFP2では、まず8号車トヨタのセバスチャン・ブエミがポルシェ勢を上回る1分45秒131というタイムをマーク。さらにホセ-マリア・ロペスから交代したマイク・コンウェイが、この日最速となる1分44秒741を記録。走行初日から昨年のポールポジションタイムまでわずか0.279秒に迫る速さをみせている。
タイトル獲得の可能性を残す8号車トヨタの中嶋一貴は、初日を総合2番手で終えるも「僕たちのクルマは、個人的にはバランスの面でまだ満足いく感触とは言えないので、予選と決勝レースまでにさらにセッティングのレベルを上げなければなりません」と語った。
「今日一日は、タイヤ評価を中心に走行を重ねました。得られたデータを分析し、ベストな調整をしていきます」
また、ライバルのポルシェに0.5秒以上の差をつけてトップとなった7号車トヨタのコンウェイは「初日は順調だった。このサーキットはとてもにタイヤに厳しいからタイヤの使い方がとても重要になるんだ」とコメント。「今日のデータを解析して、さらにレベルアップする必要がある」と続けた。
8号車トヨタのロングランを担当した小林可夢偉は「以前に公式練習1日目の両セッションでトップタイムを刻んだのはどのレースだったでしょうか」と可夢偉節を交えながら走行初日を振り返った。
「今日一日、好調にクルマのセットアップが進み、素晴らしいラップタイムをマークできました。もちろん、まだまだライバルも調子を上げてくるでしょうし、僕らもさらに高い次元のバランスを見出すべく作業を続けます。今回はとても良いスタートが切れたと思います」
WEC第8戦上海は4日(土)10時00分(日本時間11時00分)からFP3が60分間にわたって行われ、14時00分(日本時間15時00分)よりLMPクラス、GTEクラスそれぞれの公式予選が実施される。