SROモータースポーツグループは12月7~10日に開催を予定していた『モチュール・セパン12時間』をキャンセルすると発表した。
セパン12時間は、マレーシアの建国記念日に開催されていたメルデカ・ミレニアムを発展させ、SROが運営を担い、GT3カーで争われるIGTCインターコンチネンタルGTチャレンジの一戦として開催されている。また2016年大会にはスーパーGT300クラスからaprのトヨタ・プリウスGT、JLOCのランボルギーニ・ウラカンGT3が参戦していた。
このセパン12時間は、当初から少なくとも20台以上のエントリーを見込んでいたが、思うようにエントラントを取り込めず。SROは昨年、アウディ、ポルシェのワークス格チームを呼び込むことに成功していたものの、ワークスチームが望むレベルのメディア露出の機会を得られていなかったという。
また、SROはシーズン末のGTカー耐久レース開催数が増加傾向にあり、セパン12時間以外にも露出の機会があること、2018年からはセパン12時間に代わり鈴鹿10時間耐久レースがIGTCに組み込まれたため、日本チームからの興味を得られなかったこともエントリーを集められなかった要因としている。
これらの要因が重なった結果、2017年大会のエントリーはわずか12台前後に留まっていたといい、参戦するチームやエントラントを尊重するべく、開催中止を決断した。
なお、SROとセパン・インターナショナル・サーキットは、12時間耐久という要素を維持した形で新たなレースを開催するべく、引き続き協力していくとしている。
「本当に難しい決断だった」と語るのはセパン12時間のゼネラルマネージャーを務めるベンジャミン・フラナソビッキ。
「もちろん、我々は(開催中止を)望んでいないし、SROもこれを慣例にはしたくない。しかし、開催まで6週間と時間が限られているなかでは、これがもっとも現実的な選択だった」
「SROとしては18台以下で耐久レースを行うのは不可能だと考えている。セパン12時間の魅力を維持するためにも、2017年大会を行うことは不可能だと考えた」
「魅力的ではないレースを開催するよりも、事前に開催中止を決定するほうがより責任ある選択だとも考えている」
IGTCの最終戦として組み込まれていたセパン12時間開催中止により、2017年シーズンは前戦のカリフォルニア8時間で終了。アウディが2度目のマニュファクチャラーズタイトルを獲得したほか、ドライバーズタイトルはマーカス・ウィンケルホックが手にした。