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『ダイナー』『ツキプロ』声優・江口拓也、“女性向けアニメ”での活躍を考察

2017年11月04日 06:02  リアルサウンド

リアルサウンド

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 187センチという規格外の高身長で、大のカレー好きとしても知られる、声優の江口拓也。過去には、『機動戦士ガンダムAGE』、『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』(以下、俺ガイル)などで主演を務め、今期も複数のアニメに出演している。


参考:声優・河西健吾×岡本信彦『3月のライオン』対談 「二海堂は岡本くんのイメージとはかけ離れていた」


 高身長に中性的なルックス、そしてファッションセンスも光る江口は、アニメファンのなかでもとりわけ女性人気が高い。しかし、前述した2作品は、強いていえば男性向けのアニメだといえる。特に、俺ガイルの主人公・比企谷八幡はぼっちのヘタレキャラで、思わず彼に感情移入した男性視聴者も多かったのではないだろうか。


 だが、江口が今期出演している『DYNAMIC CHORD』、『TSUKIPRO THE ANIMATION』は、どちらもイケメンキャラ揃いの女性向け作品だ。さらに、2作品とも“バンド”に“アイドル”と、音楽がテーマになっている点でも共通している。


 そこで、男性アニメファンはおそらく普段あまり馴染みがないであろう、女性向け作品における江口の活躍を紐解いていきたい。


 高校生の頃には声優を志すようになった江口は、日本工学院専門学校で声優について学びながら、現在も所属する事務所「81プロデュース」の第1回オーディションに応募して見事合格。2008年に声優デビューし、2011年放送の『GOSICK -ゴシック-』で初めて主演を務め(久城一弥役)、翌年には声優アワードで新人男優賞を受賞するなど、人気声優としての道を着々と歩んでいった。


 その後、話題作品への出演を次々と重ね、大ヒットとなった『黒子のバスケ』では小金井慎二役に抜擢。江口自身、その高身長を生かして中学ではバスケ部に所属し、キャプテンを務めた経験もあったという。


 そして、女性ファンの多い『黒子のバスケ』への出演以降は、『神さまと恋ゴコロ』や『恋戦隊 LOVE&PEACE』といった、“乙女ゲー”と呼ばれる女性向けゲーム作品や、BLCDへの出演が目立つようになった。


 江口がそれまで出演していたアニメは、恋愛要素がそれほど強くないものが多かった。そのため、こうした恋愛ゲームに“攻略キャラ”として出演するようになった当初は、「愛の言葉を囁くのはすごく恥ずかしい」、「どのくらいの甘さが正解なのか僕にもわからない」と、苦労した旨をインタビューでも語っている。(引用:【Style of the PRINCE】第22回ゲスト:江口 拓也さん)


 そうして乙女ゲーでの経験を重ねつつ、『俺物語!!』や『虹色デイズ』といった少女漫画原作や、『黒子のバスケ』と同様に女子人気の高い『ハイキュー!! セカンドシーズン』にも出演し、女性支持を安定的に伸ばしていった。


 今期の『DYNAMIC CHORD』では、バンド「[reve parfait]」のボーカリスト・香椎玲音役、『TSUKIPRO THE ANIMATION』では、アイドルグループ「SolidS」の篁志季役を担当している江口。もともと人前で歌うことは苦手だったそうだが、それぞれのOPテーマにも作品内のグループ名義で参加し、歌唱を見せている。また、子どもっぽく気分屋な玲音と、クールで大人の志季という、対照的なキャラクターを演じ分けている点にも注目したい。


 秋アニメ『十二大戦』のようなバトル・ファンタジー作品を多数こなしながら、女性向けアニメへの出演も着実に重ねている江口。2018年1月からの冬アニメ『サンリオ男子』でも主演を務めるということで、今後もさらに女性票を獲得していくに違いない。


■まにょ
ライター(元ミージシャン)。1989年、東京生まれ。早大文学部美術史コース卒。インストガールズバンド「虚弱。」でドラムを担当し、2012年には1stアルバムで全国デビュー。現在はカルチャー系ライターとして、各所で執筆中。好物はガンアクションアニメ。