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高梨臨と池端レイナ、2人の秘密が生んだ殺人事件 『刑事ゆがみ』第4話レビュー

2017年11月03日 15:12  リアルサウンド

リアルサウンド

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 毎週、個性的なゲストが話題を呼んでいる『刑事ゆがみ』(フジテレビ)。第4話では高梨臨と池端レイナ、飯豊まりえが登場し、彼女らが発端となった事件の真相にネット上では「切ない」との声が上がっていた。


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 ビルから男性が転落、死亡したという事件を捜査することになったうきよ署。現場に居合わせた高遠玲奈(池端レイナ)と堤祥子(高梨臨)の証言によれば、被害者である大山昇(姜暢雄)からストーカーにあっていた堤が、証拠の写真を高遠に見せようとしたところ、大山と揉み合いになり転落させてしまったという。正当防衛による過失致死として処理しようとする菅能里香(稲森いずみ)だが、弓神適当(浅野忠信)と羽生虎夫(神木隆之介)は事件性を疑う。


 弓神と羽生は、彼女らが勤めている会社に話を聞きに行くことに。すると大山は社内で評判が悪く嫌われており、一方、堤は仕事もでき皆から慕われていたことを知る。さらに、彼女の後輩である飯杉真澄(飯豊まりえ)から、ストーカーの証拠である着信履歴の写真を見せられる。弓神は、慕われている堤が、嫌われている大山をストーカーに仕立てるのは簡単、そして相談相手がそこまで仲良くはないおしゃべりの後輩であるというところから計画殺人の線で再調査を始める。


 高遠と堤がお揃いの指輪をしていることから、2人の関係に気がついた弓神は、堤と高遠に署への同行を求める。階段で揉み合いになったところまでは証言通りだが、女性1人で、簡単に大山が転落するとは考え難い、2人で突き落としたのではないかと堤に迫る。そして飯杉の「堤が産婦人科に入るところを見た」という証言から、堤が高遠の治療に付き添っていたという事実を突きつける。大山からの強姦まがいの暴力で肉体的、精神的に苦しめられていた高遠を救うために、大山を殺したのではないかと羽生が問うと、堤は深くため息をつき「惜しかったのになあ」と吐露しはじめた。


 「でも高遠さんは関係ありません。私1人で殺しました」と覚悟した表情で堤は答える。しかしこのやりとりを別室で見ていた高遠は弓神に全てを打ち明けた。それでもなお「1人でやった」と言い張る堤に、「あなたくらい頭が良かったらいろんな選択があったんじゃない。でも大山さんを殺すことを選んだ。明確な殺意があったからだよね。その選択は2人にとって正しかったのかな」と弓神は問う。堤は静かに涙を流しながら犯行を認めた。


 この2人の愛情が生んだ悲しい事件に視聴者は「犯人側のストーリーが毎回いい」「今夜も面白い、でも切ない」「悲しくて泣きました」と感動の声が多数上がっていた。毎話描かれている、犯人側の重厚なバックボーンもこのドラマの見どころのひとつ。そして毎週繰り広げられる弓神の羽生いじりは、ヒズミ(山本美月)とともにラブホテルで張り込み、羽生がおっぱいパブに入るところを隠し撮りするまでにエスカレート。この2人のふざけたやりとりと、シリアスな事件の真相、この2つがギャップこそがこのドラマの魅力といえよう。


(馬場翔太)