元BBCの伝説的コメンテーターで、60年以上にわたる熱心なF1ファンでもあるマレー・ウォーカーはルイス・ハミルトンを称賛し、同世代における最高のドライバーだと評した。しかし、イギリスで最も偉大なドライバーといえばサー・ジャッキー・スチュワートになると述べている。
先週末のメキシコGPでハミルトンが4度目の世界タイトル獲得を決めたことで、誰が史上最高のグランプリドライバーかという議論が必然的に再燃した。
94歳のウォーカーは、ハミルトンが現在の世代のトップF1ドライバーであるとしているが、イギリスで最も偉大なドライバーとなると、ハミルトンはスチュワートには敵わないとの意見を述べた。
「私の意見では、ルイスは彼の世代のなかでは最高のドライバーだ。彼の業績はまったくもって素晴らしい。1950年にF1が始まって以来、彼より多く世界タイトルを獲得したドライバーはふたりしかいない。7度のタイトル獲得を達成したミハエル・シューマッハーと、5度のファンジオだ」
「だがルイスがイギリスで最も偉大なドライバーだとは感じていない。その称号はサー・ジャッキー・スチュワートに与えられるべきだろう」
「彼は3度も世界タイトルを獲得し、自身のF1チームを運営していた。ビジネスマンとしても素晴らしかったのと同時に、最高のスポーツカーおよびツーリングカードライバーでもあった」
「もし私が最高のイギリス人ドライバーリストを作るとしたら、スチュワートをトップに持ってくる。その次がルイスだ。そしてスターリング・モス、ジム・クラーク、グラハム・ヒルが続く」
選択肢を英国人以外にも広げた場合、ウォーカーはハミルトンをアイルトン・セナやシューマッハーより上位のトップ4に入れた。
「世界中でとなると、ルイスは4位だろう。トップがファンジオ、次がスチュワート、次が4度の世界チャンピオンでフランス人のアラン・プロストだ。アイルトン・セナが5位、ミハエル・シューマッハーが6位だね」
「ふたりはブラジル人とドイツ人で、好ましくない性質も持ちあわせていた。ふたりはクリーンなドライバーというわけではなく、勝つためならなんでもするというタイプだ。彼らはしばしば、決断力と冷酷さの境界線上でドライビングをしていた」
「ルイスには疑いなしに、素晴らしい才能に恵まれている。予選の一発のアタックではとてつもない速さを見せる。イギリス国民は以前よりも彼のことを好ましく思っているのではないだろうかと、私は感じている」
「だが、ナイジェル・マンセルやジェンソン・バトンが国民から受けていた称賛を得ることはないように思える。マンセルは今も昔も国民の人気者であり、バトンは陽気な友人のようなものだ」
「しかし何が起ころうとも、ルイスには史上最高のドライバーになれる才能がある。我々は彼を偉大なドライバーのひとりとして称えるべきだ」