今年の秋は雨が多い。傘を忘れたり盗まれたりで紛失した人も多いことだろう。10月29日のはてな匿名ダイアリーに、「雨の日の傘立てと店の対応について」と題した書き込みがあり、改めて「お店のサービスどこまでやるの?」について考えさせられた。
投稿者は雨の日に店に入る際、盗難防止のため共同の傘置き場には置かず、持ち込むと決めている人だ。いわく、
「殆どの店では傘の盗難は『自己責任』であり、店側は対応しない」
それが嫌なので、いつも入口に設置してある傘用ビニール袋に入れて持ち込むか、ない場合は傘の水を丁寧に払ってから入店するようにしているという。(文:okei)
「持ち込み禁止」で盗られても「自己責任」って何?
しかし時々、ビニール袋を設置していない個人店などで店主から「床が濡れるので傘は持ち込まずに傘立てに置いてください」と言われる場合がある。
「なのに盗難は自己責任であるという。どうすればよいのか」
と、批判とも取れる嘆きを書く投稿者。言われた通り傘置き場に置いて、もし盗られたら「店の責任」になるんじゃないの?と言いたいのだろう。
これに対するはてなブックマークのコメントは、様々な意見が挙がっている。多かったのは客の立場で「自分がしている防衛策」を説明する声だ。「折り畳み傘にしてから、この辺の心の不安はなくなった」というもののほか、
「イニシャルを紙に書いて柄にセロテープで巻きつけるだけでも効果がある」
「柄のエンドというかJの先端のとこに『呪』って書いてたら取られなくなった」
という書き込みも。確かに、一度盗まれたらもう自分のものかもわからないビニール傘なんかよりも、独自にカスタマイズした傘の方が盗まれにくそうです。また、「傘を入れる袋」は防水のしっかりした素材のものが市販されていると薦める人が多かった。つまり、自分がなんとかするしかないよというわけだ。
中には「1万円以上する誕生日プレゼントでもらった傘を盗まれた時はショックだった。それ以来、何が何でも席まで持ち込んでる」と悔しい体験を書く人も。
確かに傘の盗難はよくあることで、肌身離さず持っていたくなる気持ちは分かる。安心できない世の中で嫌になる。
店側の反論「濡れた床で他の客が転んだら責任とれる?」
一方で、防止策というより「傘持ち込み禁止と店員に言われたら、その店は二度と利用しないだけだけどな」など、店側に対する感想も複数ある。確かに投稿者が気にしているのも「店側の対応」だ。
とはいえ、個人の店など小規模なところでは毎度ビニール袋を用意できない、床が水で濡れるのをマメに拭いてもいられないなどの理由で「傘置き場に置いて欲しい」という事情も分かる。コメントの中には、こんな店側の叫びを書く人もいた。
「これ前にバイトしてるときにも言われた。『傘が盗まれたら君は責任とれるの?』って。なので、『お客様の傘で濡れた床でお子様が転んだら、責任とっていただけますか?』と聞いてしまった。床拭くにも限度があります」
結局、店側に負担を求めるか、自分で対応するかの違いだが、客が店を選ぶ権利があるように、どこまで客にサービスするか決める権利は店にある。本来のサービス、例えば飲食店なら美味しい食事を提供するといった本筋以外のサービスを極めようとすればキリが無い。それで客が離れるようならそれまでだし、そうした不便を乗り越えても行きたいという店ならば?盛するのだろう。