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J☆Dee’Z、duoワンマンで示した“著しい成長” 金管楽器加えたライブパフォーマンスの充実

2017年11月01日 12:32  リアルサウンド

リアルサウンド

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 J☆Dee’Zが9月22日、東京・渋谷duo MUSIC EXCHANGEでワンマンライブ『J☆Dee’Z LIVE 2017 -Colorful J☆Dee’Z-』を開催した。このライブは、ここ1年におけるキャリアの充実と、演奏・歌の両方で向上したパフォーマンスを余す所なく見せつけ、次への期待をさらに抱かせてくれるものだった。


(参考:J☆Dee’Zの楽曲はなぜ大きく進化した? Soulifeとメンバーが明かす“制作の裏側”


 半年前に代官山LOOPで行なった前回ワンマンから大きく変化した点は様々あるが、大きなトピックとしては、佐々木望(Gt/Soulife)、山本蓮(Ba)、田中航(Dr)、山下健吾(Key)という前回のバックバンドメンバー4人に林洋輔(Sax)、関山博史(Tb)という金管の2人が入ったことだろう。近年のジャズ・ファンク色の強いJ☆Dee’Z曲に金管楽器が入ることは、鬼に金棒と言いたくなるほど、サウンドをより豊かなものにしてくれた。バンドの作る音がシーケンスなし、3人も生歌で臨んでいたことも、その豊かさをさらに増幅させるものであったことは間違いない。


 ライブは、3人のボディーパーカッションとNonoの「Let’s Party ShowTime!」と叫ぶ実験的なパフォーマンスを経て、グループ屈指のファンクナンバー「Fun Time Funk!!!」からスタート。原曲よりもキメを多めにアレンジされたイントロが、観客のテンションをいっそう盛り上げる。以前のインタビューで楽曲を手掛けたSoulifeの佐々木望が「愛するファンクの巨匠たちに向けたオマージュをたっぷり入れさせていただきました」と話したように、ジェームス・ブラウンなどの特徴的なフレーズが差し込まれていった。


 そこから「Dream Arch」、「Let the music flow」と、前回のワンマン頭2曲が続くと、MCを挟んで『Melody』のカップリング曲である切ないポップバラード「伝えたいこと、ちゃんと伝えなくちゃ」へ。J☆Dee’Zは音楽性も進化の一途を辿っているが、それと同時に一つずつ年齢を重ねることで、アーティストして歌える歌も増えてきている。この曲を3人が歌いこなすというのは、そんな充実の証明でもあった。


 「Secret Summer」「Feel Good」を経て演奏されたのは、1stシングル『Beasty Girls / Let the music flow』収録の「Beasty Girls」。さらに強固になったバンドメンバーが原曲以上のグルーヴを生み出し、あの頃よりもダンスと歌の表現力が格段に上がっている彼女たちがパフォーマンスする。楽曲に彼女たちが追い付き、追い越した瞬間を見たような気がした。


 佐々木がアコースティックギターに持ち替え、落ちサビで林のソロが鳴り響く「MORNING HOPE」、ストリート・ヒップホップ・ロック・ジャズと様々なジャンルを織り交ぜながら踊るダンスタイム、そして<私たちはWINNER>と高らかに宣言する「DISCO WINNER」と、中盤以降もその勢いは衰えることを知らない。前回ワンマンからの成長は、こういった部分にも感じられる。


 MCではMOMOKAが「初期はamiの声が高かった」と語り、amiも「ぶりっ子していたから」と暴露する場面もあったが、それは裏を返せば今のJ☆Dee’Zが自分たちの素をさらけ出して勝負できているということ。続けて披露した、ライブの練習中に背中を押されたという「ともに」(WANIMA)、「Good-bye days」(YUI)のカバーからは、そんな彼女たちの「素」をより近いポイントで体感できたように思う。


 NYでの武者修行を経て完成し、ライブではボディパーカッションを披露することで定着してきた「Answer」も、この日は一味違う。これまでは足に鳴り物を付けてパフォーマンスしてきたが、今回は何も装備せず、真の意味でのボディパーカッションに。しかもイントロ部分をいつもより長尺にするなど、成長を感じさせるアップデートが施されていた。


 7thシングルリリース告知のあとには、カップリングとして収録予定の「カラフルジャンプ」(TVアニメ『パズドラクロス』エンディングテーマ)が披露された。Nono曰く「全力でパズドラをやっているような振付」という同曲は、ここ最近の彼女たちには珍しい曲調だが、「ニャゴニャゴジャンケンのうた」「ピースマイル!」といった楽曲をリリースしていたことを考えると、これもまた彼女たちの個性の一つなのかもしれない。その次にパフォーマンスされた、ライブ定番曲「だいすき」(岡村靖幸)のカバーとのギャップには、今のJ☆Dee’Zの持つ幅の広さを改めて感じさせられた。


 ライブ終盤では、amiが「前回を越えたい気持ちが強くて、自分にプレッシャーを掛けて不安にもなったけど、始まってからは一人ひとりに感謝の気持ちでいっぱいになったし、ここから一人もこぼさずに武道館へ連れていきたい!」と決意表明すると、MOMOKAは「不安もあったけど、皆が待っていてくれると思えばなくなったし、実際楽しかった」、Nonoは「ワンマンを重ねるたびに景色が違う。これからもみんなと一緒に色々な景色を見たいし、これからJ☆Dee’Zはもっと逞しくなっていきます」と語り、最新曲「Melody」へ。楽曲を手掛けたSoulifeの河田総一郎が「切なさもあるけど爽やかで、5年後10年後にも残るメロディライン」を意識して制作し、メンバーも「自分たちの本来の声がそのまま出るような感覚」と語ったこの曲を、ありったけの感情を込めて披露したところで、本編が終了した。


 アンコールはキュートなダンスナンバー「Chocolate」からスタートすると、MCではサプライズとしてWWW Xでの次回ワンマンが発表に。3人は思わず目を潤ませながら、次々とワンマンライブが決まる状況を喜びつつ、もう一度「Melody」をパフォーマンス。今度は頭サビをバラード調にアレンジし、よりクライマックス感を演出すると、最後にはコーラス部分を大合唱し、ライブが終了した。


 次回のワンマン・シングルも決定するなど、代官山LOOPでのワンマン以降、順調とも言えるキャリアを重ねつつあるJ☆Dee’Z。いまはまだ彼女たちにとって大きいと思えるWWW Xさえも、公演が行なわれる2018年の3月には小さく感じるのだろう。そう予感させるほど、この日のライブで見せた成長は著しいものだった。(中村拓海)