F1シーズンを転戦していると、いろいろな人との出会いがある。そんな人たちに、「あなたは何しに、レースに来たのか?」を尋ねる連載企画。今回は、昨年ハースのドライバーとしてF1に参戦。今年はフォーミュラEに参戦したほか、インディカーシリーズにもセバスチャン・ブルデーの代役として出場したエステバン・グディエレスだ。
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金曜日にマクラーレンのホスピタリティハウスを覗いたら、紺ブレに身を包んで微笑む懐かしい顔があった。エステバン・グティエレスだ。
セルジオ・ペレスの人気に沸いているメキシコGPだが、昨年はこの人もハースのドライバーとして、ペレスとともにメキシコGPを盛り上げた。今年はフォーミュラEとインディカー・シリーズに参戦していたが、現在は何をしているのか?
「インディカー・シリーズに参戦するためにフォーミュラEを離れてからは、もうフォーミュラEには乗っていない。インディも欠場したセバスチャン(・ブルデー)の代役だったので、彼が復帰した最後の2戦は出場しなかった。いまはレースは何もしていない」
来年に向けては、現在インディカー・シリーズを第一候補として交渉を続けているという。その交渉をしているのは、ストフェル・バンドーンとロバート・クビカのマネージメントも行う敏腕マネージャーのアレッソンドロ・アルムニ・ブラビだ。
ところで、グティエレスは何をしにメキシコGPに来たのか?
「メキシコのサンタンデールから『2シーターカーを運転してほしい』という依頼があったんだ」
今シーズンからスタートした、グランプリ期間中に2シーターカーを走らせる『F1エクスペリエンス』。メキシコGPでは、メキシコのサンタンデール銀行がスポンサーに付き、地元出身の元F1ドライバーを運転手に起用し、地元グランプリを盛り上げていた。
「2シーターカーを運転するのは初めて」と言うグティエレスだったが、マネージャーのブラビによれば、「彼が2008年に初めてフォーミュラ・マスターをイモラで走らせたときのことを私は覚えている。まったくテストしないで、しかもウエットコンディションでいきなりトップタイムをマークしたんだ。ここは昨年も走ったことがある。2シーターカーも心配はいらないよ」