子育てに積極的な男性は増えてきているものの、ハード面での障壁はまだ残っているようだ。お笑いコンビ「飛石連休」の藤井ペイジさんは10月29日、都庁の展望室の男性トイレにおむつの交換台がなかったことをツイッターで報告した。
「息子(1才3ヶ月)つれて2人で都庁の展望台に行ったら、おむつ交換台が女性トイレにしかなかったよ。旅館のおひつ問題なんかより、こっちの方がリアルに困るんですけど」
「男性はおむつ交換室に入りにくい。男子トイレにも交換台を」
藤井さんは、続けて「ちなみに都庁に限ったことではなくて、古い建物にはそういうタイプのトイレ(おむつ交換台が女性側のみ)が多いです」ともツイート。イクメンが推奨されるようになっても、施設の整備が追い付いていないようだ。
都庁のおむつ交換台に関するツイートはネットで話題を呼び、「即刻男性トイレにもおむつ交換台を完備すべき」「私も気になっている問題です。外出時、息子のオムツを主人が替えられないパターンがよくあります」といった共感の声が寄せられていた。
藤井さんと同じような経験をした男性も少なくないらしく、
「俺がおむつ交換してくる!とトイレ行ったら男子トイレには交換台がなくて、結局妻にお願いする経験は数知れず」
「地方の観光地行って困る問題がコレなんだよな」
といった嘆きのツイートも散見された。
首都圏でライターとして働く男性(30代)も、「男子トイレに交換台がないと困る」と語る。
「出先でおむつ交換をしなくていいように、トイレを済ませてから出掛けるといった工夫をしています。おかげで、僕と子供だけで外出している時におむつを交換したことはまだありません。でも交換しないといけなくなった時に、女性トイレにしか交換台がなかったらすごく困りますよね」
たまにトイレの外にオムツ交換室があることもあるが、「おむつ交換室があっても男性は入りにくい」という。
「使っているのは、お母さんばかりですし、女の子のお母さんの中には男性に見られるのを嫌がる人もいます。やっぱり男女それぞれのトイレに交換台があるといいと思います」
「日本社会は父親の育児になんて不寛容なのだろう」
NPO法人「ファザーリング・ジャパン」代表理事の安藤哲也さんも、同様の経験をしたことがあるという。
「19年も前のことですが、0歳の娘と外出した時に、男子トイレに交換台がなく、洋便器の蓋の上でおむつ交換をしたことがあります。その時は、『なんて日本社会は父親の育児に不寛容なんだろう』と憤慨しました」
ただ、イクメンが奨励されるようになるにつれて、新しい建物の男子トイレには交換台が設置されることも増えてきたという。より多くの男性が子育てに関わるためにも、交換台の付いた男子トイレをもっと増やしていくことが必要だろう。