モンスターエナジーNASCARカップは10月29日、第33戦マーティンズビルが行われ、マーティン・トゥルーエクスJr.(トヨタ・カムリ)を0.141秒差で退けたカイル・ブッシュ(トヨタ・カムリ)が優勝した。
シリーズ終盤の10戦で争われるチャンピオン決定戦“プレーオフ”の7戦目となるNASCARマーティンズビル。舞台となるのはシリーズ最短の1周0.526マイル(約850メートル)の超ショートトラックだ。
500周で争われた決勝レース、カイル・ブッシュは予選で14番手と後方に沈んだものの、130周目までのステージ1、260周目までのステージ2をともに2位で駆け抜ける。
迎えた最終ステージでは386周目にラップリーダーに浮上したチェイス・エリオット(シボレーSS)がレースをリード。自身初のNASCAR優勝に向け、チェッカーを目指す。
しかし、フィニッシュまで残り2周となった498周目、エリオットは後方からデニー・ハムリン(トヨタ・カムリ)に背後に迫られるとターン4で両者は接触。エリオットのマシンはスピンしてしまい、イエローコーションが導入され、レースは2周の延長戦“オーバータイム”に突入する。
迎えたリスタートではハムリンがトップでターン1をクリア。後方にカイル・ブッシュがつけていく。
すると、その周のターン4でハムリンのイン側にスペースができた隙を見逃さず、カイル・ブッシュが飛び込み、両者はサイド・バイ・サイドの状態でファイナルラップへ。
ここでイン側をキープしたカイル・ブッシュに対し、不利なアウトにつけたハムリンはターン1で失速。代わってトゥルーエクスJr.が2番手に浮上する。
2番手に浮上したトゥルーエクスJr.はターン3~4でカイル・ブッシュのイン側を刺して逆転を狙ったものの、わずかに届かず。カイル・ブッシュがトップでチェッカーを受け、チャンピオンが決まる最終戦“プレーオフ”進出権を手にした。
チェッカー直前には、ハムリンがターン4の立ち上がりでスピンしたことに端を発する多重クラッシュが起き、レースは混乱のなかで終了。
また、ハムリンに初優勝を妨害される形となったエリオットは、チェッカーを受けて速度を落として走行していたハムリンに、バックストレートで故意に衝突する場面があり、マシンを降りた両者が口論を交わす場面も見られた。
モンスターエナジーNASCARカップ第34戦は11月5日、テキサス州のテキサス・モータースピードウェイで行われる。