FIAが主催するETRCヨーロピアン・トラック・レーシング・チャンピオシップの2018年暫定カレンダーが発表され、開幕時期が例年よりやや遅れるものの、今季開催地とほぼ変わらない全8戦のスケジュールが発表された。
選手権オーガナイザーを務めるETRA(ヨーロピアン・トラック・レーシング・アソシエーション)は、この2018年暫定カレンダーについて「各イベントオーガナイザーと主催サーキットの安定性と継続性を重視した」と語る通り、トラック・レーシングに多くの支持が集まる開催国、サーキットを優先的に選出。
2010年代に入って欧州選手権に昇格したことからも分かる通り、ヨーロッパ圏内では運送業を営むトラッカーやその家族を中心に年々ETRCの人気が高まってきており、このカレンダーの安定性によりドライバー、チーム、そしてトラック製造マニュファクチャラーにとっても、ファンとのリンクやトラック・レーシングの魅力を訴求しやすい、これまでどおりのメリットを享受できるチャンピオンシップ・カレンダーとなっている。
シリーズの開幕戦を務めるのは、久しぶりのオープニングラウンド復帰となるイタリアのミサノで、例年より少し遅れた5月末の開幕を予定。この結果、2017年に開幕戦を務めたオーストリア・レッドブルリンクは残念ながらシリーズから外れることとなった。
続く第2戦は例年の8月から6月へと開催時期が早まったハンガロリンクで、この東欧の国でもトラック・レーシングに対するファン、メディア、運送業界の注目が年を追うごとに高まっており、ブタペスト郊外の国際サーキットには、母国のスターであり2度のETRC王者獲得経験を持つノルベルト・キスを応援しようと、シリーズでもトップクラスの観客動員を集めるようになっている。
続いて第3戦となるのが、選手権を代表する1戦である“ADACトラック・グランプリ”の、ドイツ・ニュルブルクリンク戦。ニュルでのモータースポーツイベントでも、年間を通じて最多動員に近い12万人の観客を集める週末となり、グランドスタンドは満員のオーディエンスで埋め尽くされる。
このシリーズ最大の祭典を経てサーカスは再び東欧へと戻り、スロバキアリンクとチェコ共和国のアウトドローモ・モストへ。
スロバキアリンクは2017年7月にETRCを初開催し多くのファンを動員して成功を収め、モストは今季初の王座を獲得したアダム・ラッコとバギラ・インターナショナル・レーシング・システムズのチームにとってホームラウンドとなり、フレートライナーと新チャンピオンにとっての凱旋イベントとなる。
そしてシリーズは9月中旬から10月初頭に向けベルギーのゾルダー、フランスはル・マンのブガッティ・サーキット、そしてスペイン・ハラマと最後の3戦を迎え、タイトル争いの天王山を迎えることとなる。
この2018年の暫定カレンダーについて、ETRCのシリーズディレクターを務めるゲオルグ・フックスは「FIA ETRCの露出と革新を引き続き示していく、よりバランスのとれたカレンダーとなった」と自信を見せた。
「我々はファンのみなさんやドライバー、チーム、すべての人々とこの新たな2018年カレンダーを共有できたことをうれしく思う。この安定性により、引き続きロングタームでシリーズへの関与に興味を示すマニュファクチャラー、エントラントの増加も見込まれている」
「ニュルブルクリンクやル・マンのように、すでに巨大な人気と成功を収めているイベントの日程を引き続き固定し、前後のスケジュールをさらに最適化することで、より魅力的なシリーズとしての基盤を確立できたと思っているよ」
2018年レースカレンダー/ETRCヨーロピアン・トラック・レーシング選手権
ラウンド日程イベント15月26~27日イタリア/ミサノ26月16~17日ハンガリー/ハンガロリンク36月29~7月1日ドイツ/ニュルブルクリンク47月14~15日スロバキア/スロバキアリンク59月1~2日チェコ共和国/アウトドローモ・モスト69月15~16日ベルギー/ゾルダー79月29~30日フランス/ル・マン・ブガッティ810月6~7日スペイン/ハラマ