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「素手でトイレ掃除」「男子は坊主一択」 「黒染め強要」で思い起こされる理不尽な校則たち

2017年10月31日 11:51  キャリコネニュース

キャリコネニュース

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大阪府立の高校が、生まれつき髪が茶色い女子生徒に対し、校則を理由に黒く染めるよう強要し、生徒を不登校に追いやっていたと明らかになった。

産経ニュースによると、生徒は4日に1度のペースで黒染めを指導されていたそうだ。度重なる染色で頭皮は荒れて痛み、ついには注意を受けるたびに過呼吸になったとか。黒染めしなければ文化祭や修学旅行にも参加させないなどとも言われていた。

この時代になんて馬鹿げた指導だと笑ってしまうが、実は僕も高校時代、校則のせいで本当に嫌な思いをした記憶がある。2000年代、つまり、まだまだ最近の話だ。(文:松本ミゾレ)

男子はテクノカット、女子はパーマNG 眉毛の処理も禁止で、違反の場合退学も


僕の高校では、男子のもみ上げは耳の穴の上までしか伸ばすことが出来なかった。つまりテクノカットである。2000年代初頭でも、テクノカットは完全に時代遅れだ。そもそも男子が髪を伸ばすこと自体禁止だった。僕はこういう時代錯誤な校則にストレスを感じるタイプだったので、とにかく毎日の登校が嫌で仕方がなかったものだ。

男子がテクノカットを強要されるぐらいなので、当然女子にも厳しい制約が課せられる。冒頭で紹介したような黒髪強要も当たり前だった。地毛が茶色と言い張る女子が一人いたが、度重なる学校側の勧告に陥落して、最終的には黒髪にさせられていた。それから、パーマ、整髪料もダメだった。梅雨時期にケープすら使えないので、くせっ毛の子はかなり苦労していた。

男女ともに「それは致命的だ!」と危機感を覚えていたのが、眉毛をいじってはならないという校則だ。今でも理解に苦しむ校則である。年頃なら、見た目を気にして眉毛を整えたりするものだ。それが禁止だってんだから、もう勘弁して欲しかった。

校則に違反した生徒は反省文。それでも態度が改められない場合は停学。果ては退学なんて生徒もいたのだから、バカらしい。

過剰に縛る校則で、自主性のある人間は育てられるのか?

僕は本当にこの高校が大嫌いだった。卒業して15年以上経過するのに、今でも高校時代の夢を見ると汗だくで飛び起きてしまうくらいだ。小・中学校のアルバムは保管しているし、校歌も覚えているが、高校時代のアルバムはすぐに捨てたし、校歌も忘れた。

ところで、今回このコラムを書くにあたり、周囲の知人に校則について聞いて回ったところ、まだまだドン引きするような話に巡りあえた。

「男子生徒は坊主。何があっても坊主」
「毎朝、部活の朝練前にトイレを素手で掃除」
「大の方のトイレに行く場合、教師も付き添う上に制限時間は1分間しかない」

なんだろう、どこぞの自己啓発セミナーみたいなことをさせられている感がぷんぷんする。トイレを素手で掃除する学校って、たしか前にテレビで見たことがある。坊主強要もそうだが、今でもこの校則がまかり通っているのだろうか。

過剰な縛りのある校則では、生徒の自主性を殺し、とにかく右倣えをしておけばいいという凡庸な人間しか育てることはできない。少なくとも僕は、こんな高校に3年間在学しているうちに、自分の意見を述べるのに躊躇をするようになってしまった。本当にいい迷惑である。