2017年F1第18戦メキシコGP決勝でトップ10に入ったドライバーたちがレースを振り返った。
レッドブル
マックス・フェルスタッペン 決勝=1位
優勝できてうれしい。それにオランダのDJとドライバーが揃って、楽しい表彰台だったよ。
スタート自体は最高とはいえない出来だったけど、そのおかげでセバスチャン(・ベッテル)からトウを得ることができた。少しアグレッシブにいく必要があったが、ターン1をアウト側から回り、その後は、自分のレースに集中した。キャリアのなかで一番楽だったレースと言ってもいいと思う。
昨日は取れたはずのポールを逃したと思っていたから、今日こそ自分の求める結果をつかもうと、モチベーションがかなり上がっていたんだ。単なる表彰台でなく優勝をつかめたなんて最高だね。
確実に完走するため、ペースを落とし、エンジンを抑えて走った。終盤はクルージングしていたよ。今週末はロングランペースがいいと分かっていたから、今日、マシンがいいパフォーマンスを発揮してくれるという自信があった。このコースは低速でグリップの低い部分があって、それが僕らのマシンに合っている。オースティンでもバランスとペースがよかったけれど、グリッド降格ペナルティを受けなければならなかった。
いいマシンバランスを見つけ出した後は、簡単に速いラップタイムで走ることができたし、それを維持することもできた。この調子で進めていければ、来年はもっといい形でシーズンをスタートできるだろう。すごい結果を期待できるよ。
メキシコはファンが情熱的だから、表彰台に乗ると特別な気分になる。スタジアムセクションの雰囲気といったら、他の場所では味わえないような素晴らしいものだ。去年表彰台を逃したけど、今年挽回できたね。1周目に無線で言ったとおりだよ。最高としか言いようがない。
(ルノーのパワーユニットが次々と壊れ、リタイアが相次いだことについて)何台もブローしてリタイアしていたから、心配になった。だからエンジンを労わって走ったんだ。すべてうまくいったみたいだね。
スクリーンで(ダニエル・リカルドが)リタイアしたところやトロロッソから火が出ているところが見えた。「なんてことだ、どうか僕には起こりませんように」と祈ったよ。僕は新しいエンジンだったからよかったのかもしれないけど、ダニエルのも新しかったんだよね。
シーズン序盤は不運なことが続いたから、今回は自分にトラブルが起きなくて本当にうれしい。
■メルセデスAMG・ペトロナス・フォーミュラワン・チーム
バルテリ・ボッタス 決勝=2位
ふさわしい人物が今年のタイトルを手にしたと思う。ルイス(・ハミルトン)はこのタイトルに値するよ! チームメイトだから、彼は才能があるだけでなく、努力家で、しかもナイスガイだということを僕は知っている。僕らは競ってはいるけれど、彼がチャンピオンになったことがうれしい。もちろん、来年は僕が勝ちたいと思っているけどね。
今日のレースはスタート直後を除くと、僕にとってはシンプルな展開だった。スタートは、ターン2にマックス(・フェルスタッペン)とセバスチャン(・ベッテル)がサイド・バイ・サイドになっていて、ひとりがワイドになっているのが見えた。ターン3は大変なことになりそうだと思って、イン側に行って、うまくコーナーを立ち上がった。その後はあまり大きな出来事はなかった。
残念ながら今日はマックスにチャレンジすることができなかったから、しっかり完走することを目指した。今日の僕らには優勝する速さはなかった。いろいろと学ばなければならないことが多い。でも全体的に、悪い一日ではなかったよ。僕はマシンの力をめいっぱい引き出したと思うし、久しぶりに表彰台に上れた。もちろん、ルイスがタイトルを取ったのもよかったね。
■スクーデリア・フェラーリ
キミ・ライコネン 決勝=3位
昨日の予選で苦戦したことを考えれば、3位は悪くない。でももちろん、目指してきた結果でないことは確かだ。
スタートはそれほど悪くもなかったけれど、左に動いて、トウを失った。ブロックされてしまい、最初のふたつのコーナーで大幅に順位を落とした。その後は、前を走るグループがピットに入るのを待って、プッシュしてポジションを稼ぐほかなかった。
マシンは昨日よりは少し良くて、まずまずのペースで走れた。3位に上がった後、前に追いつこうとしたが、バルテリ(・ボッタス)とのギャップは広がりすぎていて、もはやどうすることもできなかった。それで無事にポジションを守って完走することに気持ちを切り替えた。
今年は去年と比べると僕らは大きく進歩したと思う。でも改善すべき小さなことがいくつかある。今年のマシンはしっかりした優れたものだ。最近、いくつかトラブルが出たけれど、速さはある。何度もリタイアしてしまったことがタイトル争いに大きく響いた。今シーズンから学び、来年はこういう問題を最小限に抑え、改善を図る必要がある。
■スクーデリア・フェラーリ
セバスチャン・ベッテル 決勝=4位
チームは頑張って、ベストを尽くしてきた。でも望んでいる結果を出すことができなかった。もう戦うチャンスはないのだと知りながらチェッカーを受けるのは辛かった。
僕は最後まで戦った。持てるすべての力を注ぎ込んだ。でも、レース終盤になっても、(3位を走る)キミ(・ライコネン)とのギャップは大きすぎて、セーフティカーが出動するとか、そういうことが起こらない限り、近づくのは難しいと分かった。それでもまだ僕は信じていたんだけど、結局、望んでいるようなことは起こらなかった。
僕らにとってはあまりいい一日ではなかったが、今日の主役は僕らではなく、ルイスだ。(チャンピオンになった)彼におめでとうと言いたい。
明日、目覚めたら、違う一日が始まる。僕らのチームは成長し続けているし、ポジティブな面がたくさんある。僕らは正しい道を進んでいるのだと思う。
■サハラ・フォース・インディアF1チーム
エステバン・オコン 決勝=5位
チームにとって最高の日になった。レースで5位に入り、チームが選手権4位を確定したのは、堅実に戦ってきた末に手にした素晴らしい成果だ。
しばらくの間、3位を走っていたから、表彰台に上がるのも夢ではないと思っていたんだけどね。僕は最高のスタートを切って、前には誰もいない状態で可能な限りハードにプッシュしていた。ただ、残念なことに、バーチャルセーフティカーがキミ(・ライコネン)にピットストップでアドバンテージを与える形になリ、彼に抜かれてしまった。最後の数周はストロールに追いつかれて、全く気が抜けなかった。彼の方がタイヤが新しかったこともあって、後方から迫ってきたんだ。何とか抜かれないようにするために、全力を出し切る必要があった。
ハードな仕事の後に良い結果が得られたから、満足感は大きい。今夜のお祝いが楽しみだよ。
■ウイリアムズ・マルティーニ・レーシング
ランス・ストロール 決勝=6位
うまくレースをコントロールできたと思う。とてもいいスタートを切ったが、僕はアウトサイドにいたので、いくつかポジションを落としてしまった。でも、他車のトラブルやクラッシュがあって、逆に順位を稼ぐこともできた。
最初から、とにかく無事に生き残ろうと思っていたのが正解だったようで、あらゆることが思いどおりに展開し、いいレースができた。最初のスティントも、次のスティントも文句なしだった。最後に(エステバン・)オコンのDRS圏内に近づきながら、オーバーテイクを仕掛けるところまでは行けなかったけどね。タイヤのマネジメントがうまくいって、クルマのバランスも最高だった。チームに心から感謝したい。最高の1日、最高の結果、そして最高の誕生日プレゼントになったよ。
ルイス(・ハミルトン)にも心からおめでとうと言いたい。彼がフォーミュラワンの王であることに疑いの余地はない。彼が成し遂げたことは本当にスゴいよ。彼の存在は、僕のような若手ドライバーにとって大きな刺激になる。
■サハラ・フォース・インディアF1チーム
セルジオ・ペレス 決勝=7位
昨日の予選があまり良くなかったにもかかわらず、今日はうまく挽回して、十分な競争力のあるペースで本当にいいレースができた。ただひとつ残念なのは、僕らにとってはありがたくないタイミングでバーチャルセーフティカーになり、(ランス・)ストロールに前に出られてしまったことだ。あれがなければ、6位でフィニッシュできたと思う。
この週末の最大の目標は、チームのコンストラクターズ選手権4位を決めることだった。あと2戦を残して、その目標を達成できたことが何よりもうれしい。大勢のファンの素晴らしい応援の中で、今回もまた特別な週末になった。僕に力を与えてくれたメキシコのファンのみんなに、心から感謝したい。
■ハースF1チーム
ケビン・マグヌッセン 決勝=8位
優勝にも等しい結果だ。信じられないよ。みんなのハードワークに最高の形で報いることができた。レースについては文句なしだった。これ以上はどう頑張っても無理だったろうね。
昨日の時点では、もうギブアップしてリングにタオルを投げ込みたい気分で、チーム全員にとってとてもタフな一日になった。でも、誰もギブアップしなかった。僕らが決して最低のチーム、あるいは最後列グリッドに並ぶようなチームではないことは、みんな分かっていたからね。僕らはポイント圏内を走り、中段グループで戦い、トップ10に食い込もうとしているチームだ。諦めずに頑張り続けたチームを、心から誇りに思うよ。
僕らはこれからも戦い続ける。決して楽な戦いにはならないことは分かっているが、コンストラクターズ選手権の順位を上げるためにプッシュし続けて、シーズンを最後まで楽しむつもりだ。
■メルセデスAMG・ペトロナス・フォーミュラワン・チーム
ルイス・ハミルトン 決勝=9位
ターン1は簡単にはいかないだろうと、僕は言ったよね。自分がアグレッシブすぎたとは思わない。マシンを完璧なポジションに持っていった。後で録画を見直すつもりだけど、後ろのマシンにたっぷりとスペースを残したのは確かだ。
めったにない展開になった。40秒後方に落ちるなんて、恐ろしいよ。正直言って、チャンピオンシップがどうなるのか、さっぱり分からなかった。ただひたすら、ポジションを上げて、上位に追いつき、戦いの場に戻ることだけを考えていた。
前のマシンに接近するのがすごく難しいコースだから、オーバーテイクをしようと試みても全くうまくいかない。でもなんとか挽回しようと努めた。
ブリックスワースとブラックレーのファクトリーの皆に心から感謝したい。
彼らはハードワークに努めてくれた。今年コンストラクターズ選手権を制したことは大きな功績だ。そして僕がこれほどの成果を収めるために助けてくれた。皆に本当に感謝している。
■マクラーレン・ホンダ・フォーミュラ1チーム
フェルナンド・アロンソ 決勝=10位
後方グリッドからスタートしたことを考えれば、入賞圏内でフィニッシュできて、全体的にいいレースだったと思う。週末を通してマシンの感触がとてもよかった。コーナーで強力で、レースを通してハンドリングもバランスも良好だった。
でも前のマシンにアタックしたり、後ろのマシンからポジションを守ったりするための直線スピードが少し足りず、レースの半分の周回をザウバーの後ろで走り続け、(ハースのケビン・)マグヌッセンも何周もかけてもオーバーテイクできなかった。彼の後ろで得ていたDRSを失ったとたんに、ディフェンスできなくなり、後ろから来たルイス(・ハミルトン)を抑えきる術はなかった。
懸命に戦い、毎回ブレーキングを少し遅らせて、なんとかポジションを守ろうとしたが、9位を維持することができず、1ポイントを手放すことになった。いいバトルはできたけれど、マシンが違うと厳しい。
次はブラジルだ。またいくつかポイントを取ることを目指そう。