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スーパーフォーミュラ:関口雄飛 2017年第7戦鈴鹿 レースレポート

2017年10月30日 17:23  AUTOSPORT web

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関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)
台風に見舞われた2017年スーパーフォーミュラ第7戦、鈴鹿。予選Q1 終了時点で中止決定。関口雄飛はシリーズ4位で2017年を終える

 10月21日~24日、三重県、鈴鹿サーキットにおいてスーパーフォーミュラ第7戦が開催されました。今シーズン、シリーズ最多タイの2勝を挙げ、ポイントランキング4位で迎えた第7戦、関口雄飛は自力タイトル獲得も可能な状況で最終戦を迎えました。
 
 昨年はポイントリーダーで最終戦を迎えながらも、ボーナスポイント等の付加によって逆転でタイトルを奪われた関口雄飛だけに、今回はそのリベンジに賭ける思いは強く、金曜日のフリー走行から精力的にセットアップを煮詰めていました。
 
 台風が近づきつつある影響もあり、ウエット路面となった金曜日には、関口雄飛は首位と僅差の2番手タイムをマークし、順調な滑り出しを見せました。
 
 しかし、本人にとって一番の心配は接近する台風の影響でした。レースがキャンセルとなってしまった場合、その段階で逆転王座のチャンスを失い、シリーズ4位が確定してしまうからです。土曜日の朝、主催者から、悪天候によって予選が中止となった場合のグリッド決定方法がアナウンスされ、フリー走行の結果によって決勝レースのグリッドが決まる可能性があるとのことで、各車、予選さながらのタイムアタック合戦を展開するフリー走行となりました。
 
 セッション開始10分、スプーンカーブで激しくクラッシュしてしまったマシンや、シケインでストップしたマシンが出たために赤旗が出されました。その時点では1分55秒766で、5番手タイムをマークしていた関口雄飛。セッション再開直後にまたしても赤旗が出され、その間にコンディションはさらに悪化していきます。
 
 結局それから2度の赤旗が出され、タイムアップが難しい状況のなかで、セッションはそのまま終了となりました。関口雄飛は朝のフリー走行を5番手のまま終えました。午後になると、雨はさらに強まり、予選開始時間は5分間延期されました。気温18度、路面温度も18度というコンディションのなか、全車一斉にコースイン。しかし開始早々に激しく降り始めた雨のため、赤旗が提示されました。
 
 その後、天候回復を待って予選は再開されましたが、関口雄飛がタイムアタックに入ろうとするたびにコースアウトするマシンやスピンし、停止するマシンが出て赤旗。残り時間だけが刻一刻と削られていきます。

 予選再開後、最初のアタックに出た関口雄飛が1分56秒476のトップタイムをマークしたことで、各車一斉にタイムアタックに突入します。コース上の混雑と水煙で思うようにペースを上げられない関口雄飛でしたが、前車とのスペースを大きく開けて再度アタック。
 
 それでもアタック中に黄旗が出され、遅いマシンに引っ掛かってしまいアクセルを緩めるしかありませんでした。関口雄飛はセッション終盤、最後のアタックに突入し、ラストアタックを決めるべくプッシュしていたところに、またしても第1コーナーでコースアウトするマシンが出て、赤旗中断。
 
 最終的にセッションはそのまま終了とされ、関口雄飛は予選13番手でQ1を通過したように見えましたが、主催者側は天候の悪化と危険回避のために、この時点で予選終了とし、予選Q2、Q3をキャンセルすると発表しました。
 
 その後、主催者は翌日の決勝レースに関しても台風の影響により中止と発表しました。これによって、2017年度全日本スーパーフォーミュラ選手権は全日程を終了となり、関口雄飛はシリーズランキング4位で今シーズンを終えることとなりました。
 
■関口雄飛のコメント
「決勝レース中止は悔しいですが、台風の接近という状況下で、ドライバーにとっても危険な状況でしたし、観戦してくださっているファンの皆様の状況や安全を考えると、早い段階での中止が発表されて、ある意味良かったと思います」

「予選では、前が全く見えない状況のなかで、それでも攻めていったら黄旗が出ていたので、その周のアタックを取りやめ、次のラップに賭けていました。しかし第1コーナーで飛び出したマシンがいたことで、赤旗が出されてしまいました」

「ポールポジションには届かなかったかも知れませんが、もっとタイムは出せたはずなので、Q2、Q3の中止もあって、とても悔しい予選でした。マシンそのものは金曜日からバランスも良く、決勝レースが実施されていれば、という悔しい気持ちもありますが、危険な状況の下でレースをするのは本意ではありません」

「結果的に今年のタイトルは獲得できませんでしたが、いろいろな部分で去年より成長した自分を感じていますし、チームや応援してくださった皆さんに、とても感謝しています。来年こそはタイトルを獲得すべく、シーズンオフの間にしっかりと準備を整え、頑張りますので皆さん、応援宜しくお願いします」

「まだスーパーフォーミュラ以外にも僕の今年のレースは残っていますので、精一杯ベストを尽くして頑張ります。今年1年間、本当に応援ありがとうございました」