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竹内涼真が涙の決意ーー『陸王』第2話でプロジェクトがいよいよ本格始動!

2017年10月30日 12:22  リアルサウンド

リアルサウンド

 初回の骨太な展開から、1週空けての放送となった日曜劇場『陸王』(TBS系)。10月29日放送の第2話では、これからの「こはぜ屋」にとって強力な助っ人の一人となる飯山(寺尾聰)との出会い、そして彼と手を握り合うまでが描かれた。寺尾聰も加わり、ベテラン俳優陣の豪快さはこの第2話でも持続。時おり顔を見せる山崎賢人や竹内涼真、上白石萌音といった若手の存在も、いいアクセントになっている。


(参考:竹内涼真、山崎賢人、佐野岳が物語の肝に 『陸王』若手台頭に見る日曜劇場の変化


 いよいよ新しいマラソン足袋を開発する「陸王」プロジェクトが本格始動。目の前には大きな壁だらけだが、坂本(風間俊介)の置き土産である繭で作られた特殊素材「シルクレイ」を、「陸王」のソールに利用できないかと考えた宮沢(役所広司)は、この特許保持者である飯山を見つけ出す。初っぱなから険悪なムードの商談で、飯山の提示した特許使用料は年間5千万円、さらに設備投資には1億円もかかるという。日々資金繰りにあえぐ「こはぜ屋」としてはとんでもない額である。そこで宮沢は、飯山に「こはぜ屋を見に来ませんか?」と提案する。渋っていた飯山だが、宮沢の熱意に負けて足を運ぶ。そこで飯山が出会う「こはぜ屋」の人々、気持ちの良いミシンの音、積み上げられた「陸王」試作品の山。同じモノ作りをする者としての想いに打たれ、みずから「俺もあんたのプロジェクトに参加させてくれ。あんたにも味わわせてやるよ、あの興奮を」とまで口にする。


「こはぜ屋」の奮闘と並行して描かれるのが、茂木(竹内涼真)の苦悩だ。第1話の大きな見せ場である豊橋国際マラソンで、ひざの故障により挫折を味わった茂木は、そこから抜け出せずにいる。走法を変えないことにはどうしようもないのだが、新しい走法はしっくりこない。追い打ちをかけるように、アトランティスの佐山(小籔千豊)からシューズのサポート打ち切りを通告される。かつてのライバルである毛塚(佐野岳)や他のランナーたちはどんどん先へ行ってしまうという焦り。やけになって無理をして、「これ以上おいていかれるわけにはいかないんだ」と喘ぐ茂木に、監督・城戸(音尾琢真)は「もう終わりさ」と辛辣な言葉を返す。だが、なにも見捨てられたわけではない。この監督なりの、愛のムチだ。最後の「這い上がれ、茂木」のひと言に対して見せた、涙に濡れた茂木の決意の表情は、宮沢と飯山のやりとりに負けぬハイライトとなった。
 ラストでは、城戸の口にした「這い上がる方法は、ミッドフット着地だ」、カリスマシューフィッターである村野(市川右團次)の「ソールを薄くしてみるか」のひと言から、ついに茂木が「陸王」を履いて走る、爽やかな姿を見ることができた。「こはぜ屋」、そして茂木の戦いは始まったばかりなのだ。


※山崎賢人の「崎」は「たつさき」が正式表記


(折田侑駿)