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TOKIOの男気と遊び心溢れるライブを熱望! アイドルとロックバンドのハイブリットな魅力

2017年10月30日 07:02  リアルサウンド

リアルサウンド

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 TOKIOは約3年もライブ公演をしていない。直近でライブを行なったのは、2014年8月から11月にかけて開催された20周年記念ライブ『JRA 60th presents TOKIO 20th Anniversary Live Tour HEART』。JOIN ALIVEやサマーソニックといった野外フェスに、ジャニーズで初めて出演したのも、2014年のことだった。レギュラー番組の『ザ!鉄腕!! DASH!!』(日本テレビ系)が高視聴率をキープしており、それぞれドラマや舞台、情報番組、バラエティなど、ひっぱりだこなTOKIO。ライブが行なわれていないことを感じさせないほどの活躍ぶりだ。だが、やはりファンは待ち望んでいるだろう。生で彼らの演奏を聞ける特別な空間を。


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 思えば、これほどデビュー曲を歌い続けているアイドルも他にいないのではないか。夏にオンエアされた『音楽の日2017』(TBS系)でもデビュー曲「LOVE YOU ONLY」(1990年)が歌われている。20年以上の時を超えても、彼らが歌う「LOVE YOU ONLY」は多くの人の心を揺さぶる。それは彼らのパフォーマンスがあらゆる経験を通じて、より深く、本質的な部分に訴えるものに進化している証だ。さらに、TOKIOの代表曲といえば、JR東海とのタイアップで作られた「AMBITIOUS JAPAN!」(2003年)や、中島みゆきが提供した「宙船」(2006年)などが思い浮かぶが、TOKIOの魅力はそれだけではない。いわば、彼らのヒットソングはアイドルとしての顔。彼らには、もう一つのロックバンドとしての顔があるのだから。


 メンバー全員が作詞作曲するスキルを持ち、それぞれが思い、考え、溢れた感情を歌にする。自分たちで作って、自分たちで演奏して届けるということ。「それが一番自分たちにしかできないことだと思う。それがTOKIOの象徴」と長瀬智也が語ったことがある。近年では、その傾向がさらに強くなっており、そのほとんどが彼らの手によって作られた楽曲ばかりだ。個人的には、長瀬がパーソナリティを務めるラジオ『SUZUKI presents NAGASE The Standard』(TOKYO FM)のオープニングでも流れる「東京ドライブ」(2015年) が好きだ。特にイントロのギターサウンドは秀逸。『ザ!鉄腕!! DASH!!』では重機や工具を手に汗を流すリーダー・城島茂が、粋にギターをかき鳴らすのだ。シャイな恋心を甘酸っぱく歌ったり、世の中に問いかけたり、シンプルに音楽に身を委ねる楽しさを歌ったり…… TOKIOの曲は、狭く深く、誰かのお気に入りになる曲が多いのが特徴だ。「fragile」 (2016年)「愛!wanna be with you…」(2016年)「クモ」(2017年)と、ライブをしていないこの3年間でも良曲が次々とリリースされていることからも、ライブで聞きたい熱は高まる一方だ。


 そして、なによりも彼らがライブを楽しむ姿が見たい。先述した長瀬のラジオでは、自宅スタジオで収録されたことがある。歌入れを行なう際に使うコンデンサーマイクを用いて収録したため、加湿器が稼働する音が入ったり、出前が到着してチャイムが鳴ったりと、予想外のことが次々と起こる。その状況を「夜飯を食べてなかったのでね(笑)」 とハプニングをエンターテインメントに変えていく。そんなポテンシャルの高さが、アイドルとロックバンドのハイブリット型アーティストの強さ。ちなみに、最新シングル「クモ」のカップリングは“ 島茂子とソイラテズ”による「女の坂道」が収録されている。この60~70年代風ムード歌謡については「バンドやって一周したってことだな。自分たちの範囲じゃないものも表現してみようとか、そういうものを俺たちがやったらどうなるのかみたいな」と遊び心で生まれたものだと語られた。MVまで作られたこの楽曲が、このままステージで披露されずに終わるなんてもったいない。今こそ、彼らの男気溢れる遊び心満載なライブを待ち望んでいる。(佐藤結衣)