もしも、医師から「あなたの命はあとこれだけ」と余命宣告されたなら、どうだろう。あまり考えたくはないが、残された命をまっとうすべく、何かをガムシャラに頑張ったりするのだろうか。
10月25日放送のバラエティー「バラいろダンディ」(TOKYO MX)で、「もし命が残りわずかと分かっていたら、何をしたい?」と話題になった際、余命宣告された経験がある東大中退のラッパー、ダースレイダーさん(40歳)が、「むしろ、余命宣告されたほうが、1日1日をちゃんと生きれる」などと語っていた。(文:okei)
「明日交通事故で死んじゃう人もいるし、それだったら5年もあるし…」
ダースレイダーさんは東京大学在学中の1998年から音楽活動を開始し、東大中退後もラッパーとして活躍する。2010年に脳梗塞を発症し、左目を失明して以来、眼帯がトレードマークだ。2017年9月から「オフィス北野」に所属する異色の経歴の持ち主である。父は朝日新聞ヨーロッパ総局長などを務めた和田俊氏だ。
番組は、死を迎えるときに大切にしたいことを話し合うカードゲーム「もしバナゲーム」が、お年寄りの間でブームになっているという産経新聞の記事を伝えた。
意見を求められたダースレイダーさんは、内臓が悪く、医師から「何も処置しなかったら、あと5年です」と余命宣言された過去を明かした。言われた瞬間はショックを受けたようだが、
「でも明日交通事故に遭う人もいるし、それだったら5年もあるし1日1日をちゃんと生きれる。むしろ、余命宣告された方が」
と、そのほうが良かったとでも言いたげな心境を吐露した。続けて、
「だから、いつか会えると思っている人も会いたかったらすぐ会いに行く方がいい。誘われた時に『今度行くよ』じゃなく、すぐ行くようにする」
などと語っていた。
「金にならない仕事をほんとに頑張る男でね…」としみじみ
確かに、人間いつ死ぬか分からない。だが、まだ死が近くないと思っている年齢では、ついつい「またいつか」と何でも後回しにしがちになる。
しかし命の期限が分かっている場合、日々の一瞬ごとを大事にしたくなるものだろう。この機会を逃したら、次はないかもしれないと危機感を覚えるはずだ。自ずと「思い残すことなく何でもしたい」という気持ちにもなる。
それを証明するように、コメンテーターでヒップホップの先輩である歌多丸さんは、「ダースレイダーは金にならない仕事をほんとに頑張る男でね。まあ、そうやってチクショーって頑張ってるうちがいいのかも」としみじみ。
しかし作家の室井佑月さんが「この世からいなくなって欲しくない!すごい好きな顔だから」と本気モードで言い放ち、笑いを誘っていた。ちなみに症状については、処置をすれば「維持できるし、良くなるかもしれない」という状況だという。