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TMSで琢磨とトークショーを行ったカストロネべスが日本語で宣戦布告「来年は私が勝ちます」

2017年10月28日 18:52  AUTOSPORT web

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佐藤琢磨/エリオ・カストロネベス 東京モーターショー2017
28日から一般公開がスタートした第45回東京モーターショーに佐藤琢磨が登場。ブリヂストンブースでは、インディ500で優勝を争ったエリオ・カストロネベスとふたりで初トークショーを行った。

 東京ビッグサイトで25日から開催されている東京モーターショーではモータースポーツ車両も多く展示されており、2017年のインディ500を制した佐藤琢磨のマシンやタイヤ、レーシングスーツ、ヘルメットなども飾られている。

 一般公開初日となる28日に東京モーターショーを訪れた琢磨は、午前中にホンダブースでトークショーを終え、午後はブリヂストンブースに登場。インディ500で優勝を争ったエリオ・カストロネベスとトークショーを行なった。

 初めにステージに登壇した琢磨は、「すごい人だね!」とブース前に集まったファンの多さに驚きながら、インディ500を振り返った。

「オフシーズンも忙しいですけど、いろいろなイベントでインディ500優勝の祝福をされているのでうれしいですね。インディ500に勝つと毎月のようにイベントがある。来年のインディ500が決勝が始めるまで、ずっとその年のチャンピオンとしてインディ500をプロモートしていきますし、紹介されるときも一生インディ500チャンピオンの肩書きが付きますしね」とインディ500優勝の喜びを語った琢磨。


 続いて2年ぶりに来日したカストロネべスがステージに登場すると「ミナサン、コンニチハ!」と挨拶。さらに琢磨に対して「琢磨、インディ500での優勝おめでとうございます。でも、来年は私が勝ちます」とカンペを見ながらコメントし、琢磨や観客を驚かす。
 カストロネベスとのトークを楽しみにしていた琢磨。スパイダーマンのようにフェンスに登るカストロネベスのおなじみの勝利のパフォーマンスを始めたきっかけを質問する。

「初めて勝利したデトロイト戦で、本当はビクトリーサークルに入らなければならなかったんだ。でも、初めての優勝だったので、僕はわからずにそのままフィニッシュラインに走っていってしまったんだ」

「クルマから降りたら、チームクルーもカメラマンも誰も居なくて……。でも観客が喜びの声援を出していたので、そっちに行きたいと思いフェンスをよじ登ったのがスパイダーマンのきっかけさ」とカストロネベス。

 エリオのいないレースで勝った時にフェンスに登っていいか琢磨がお願いしてみるも、「考えさせてくれ」とスパイダーマンパフォーマンスをは譲る気はないようだ。

 お互いの初印象を聞かれると、「カストロネべスを倒すというのがインディカーを戦ううえでひとつの目標でした。会ってみると本当に気さくですし、サーキットの中でいちばんの紳士。エリオとは一度も絡んだことがないんです。いちばん信頼しているドライバーのひとりです」と語る琢磨。

 一方、カストロネベスは、「琢磨はF3やF1を戦い、インディに来たときはかなり強力なドライバーが参戦してきたなと思っていた。実際に彼は本当に速くて、彼をどうやってオーバーテイクするか頭を悩ましたよ」

「参戦当初から琢磨とはいつかすごいバトルをするんじゃないかと予感していた。今年のインディ500では、残り数周となったターン1でスリーワイドになったときに、その1台が琢磨だったので“やばいな”と思ったね」

「琢磨が特に素晴らしいのは、ウエットレースの時だね。本当にうまいんだ。雨の日は、琢磨を見てどうやったら追いつくか、いつも勉強しているよ」とコメント。お互いにリスペクトしているからこそ、インディ500での素晴らしいバトルが生まれたようだ。

 インディ500での終盤のバトルの話になると琢磨は、カストロネベスが琢磨をオーバーテイクし2番手に浮上した際のアウトからのオーバーテイクに感嘆していたようで、あの時いつアウトから行こうと思ったのかを質問する。

「目をつぶっていこうと思った(笑)」と冗談めかすカストロネベス。

「ホンダのパワーユニットが良くて、琢磨をどう抜こうか苦戦していた。最後の1周は何かで彼のエンジンがブローしてくれと思ったくらいさ(笑)。彼のチームは5台いて、みんなエンジントラブルしたのに、琢磨ひとりだけ残ってしまったんだよ」

「最後の10周は太陽が出てきて暖かくなりダウンフォースが厳しくなった。全力でプッシュしたけど、再び琢磨をアウトからオーバーテイクすることはできなかったんだ」と振り返る。

 2018年はインディカーへのフル参戦はせず、ホンダの北米高級車ブランドであるアキュラでIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権に参戦することを発表しているカストロネベス。

「インディ500にはスポット参戦するけど、来年はアキュラとともにスポーツカーレースに挑戦する。本当におもしろいレースになりそうだよ。20年間インディカーに参戦してきたから、トラクションコントロールやパワステもある新しいシリーズに参戦するのは慣れるまで大変なんだ。でも、フェラーリやランボルギーニ、ポルシェとバトルしたり、チームメイトとマシンをシェアするのも新鮮だね」

「インディ500では、お寿司をいっぱい食べて佐藤琢磨を倒せるように頑張りたいよ」とコメント。

 レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングに移籍し、インディ500連覇を狙う琢磨は、「エリオのお寿司にはわさびをたっぷり入れたいですね。インディカー・シリーズからエリオが居なくなるのは寂しいですけど、インディ500では戻ってきてくれるので楽しみにしています」

「エリオが4つ目のチャンピオンリングを狙って思いっきりくるので、最高のレースができるように僕も頑張りたいです」と再び素晴らしいレースを繰り広げることを誓ってくれた。