10月27日にラリーGBの競技2日目が行われたWRC世界ラリー選手権。3台のヤリスWRCで挑んでいるTOYOTA GAZOO Racing WRTは、滑りやすい路面コンディションに苦戦しながらも、全車が走りきっている。
イギリス・ウェールズの森林・丘陵地帯を舞台とする本格的なグラベル(未舗装路)ラリーが幕を開けた競技2日目。前日夜に雨が降った影響で、路面がぬかるみ、コースは滑りやすい状況となり、そのため多くのドライバーが苦戦を強いられることに。
加えて、競技2日目は日中にサービスが設定されておらず、ドライバーたちはタイヤ交換のみで競技を走りきる必要にも迫られた。
トヨタ勢では、このラリーGBでの経験が少ないユホ・ハンニネンとエサペッカ・ラッピは刻々と変化する路面コンディションに悩まされながらも、大きなミスをすることなく完走。ハンニネンが総合10番手、ラッピが総合11番手につけた。
前日、総合2番手につけていたエースのヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)も難しいコンディションに悩まされながらも、過去に2度ラリーGBを制していることもあり、安定感のある走りを披露。総合5番手で2日目を走り終えている。
走行終了後、チームとドライバーは競技3日目に向けてミーティングを行い、マシンセッティングを変更。競技3日目でのポジションアップを目指す。
TOYOTA GAZOO Racing WRTのチーム代表を務めるトミ・マキネンは「とても困難な1日となった」と語る。
「天気は良かったが、路面は泥状となり非常に滑りやすく、すべてのドライバーが少なからず影響を受けたと思う」
「我々のパフォーマンスは期待していたレベルには届かず、なぜそうなったのかを理解しなければならない。明日、全ドライバーがスピードを上げられるように、サービスで対策を施すつもりだ」
総合5番手につけたラトバラは「今日の路面コンディションは誰にとっても難しかったと思う」と走行を振り返った。
「夜中に大雨が降りその後路面は乾き始めたが、内側からの水蒸気によって、より一層滑りやすいコンディションとなってしまった」
「午前中はアンダーステアに悩まされ、自信を持って攻めることができなかった。リグループでセッティングを少し変えたところ、依然としてトラクション不足は感じるけどクルマはかなり良くなったよ」
「5番手という現在の順位は決して悪くないけど、明日に向けて状況をさらに改善できると期待している」
総合10番手のハンニネンは「コーナーごとにグリップレベルが変わりリズムをとるのは至難の業だった」とコメント。ラッピは「グリップ不足の状態で走り続け、まったく満足できない1日だった」と悔しさをにじませている。
28日の競技3日目はウェールズ中部を中心にSS8~16の9SSで争われる。SS15以降は現地19時にスタートするナイトステージだ。9SS合計の走行距離は142.38km、総走行距離は676.62kmとなる。